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【ロボットの目】そっくりな双子を顔認証で判別するのは困難なのか

2020.05.27  | 
WRITER:
haruka
 

「似てるけどここが違う」という双子もいれば、「似すぎていてわからない!」という超そっくりな双子もいます。彼らはそれぞれのスマホのロックを解除できるのでしょうか。きっとみなさんが知っているであろう“あの双子さん“が、この問題にチャレンジしていました。

双子の判別は難しい?

こちらは、「幽体離脱~」でおなじみの双子芸人ザ・たっちのお二人が、iPhone Xを使ってFace IDを突破できるのか検証した動画。かなり似ているので正直私には同じ人に見えてしまうのですが、チャレンジの結果は・・・

(出典:ザ・たっち YouTube公式サイト

判別できなかった!!!

なぜ間違ってしまったのか

iPhoneのディスプレイ上部には、通常のカメラ・赤外線カメラ・多くのセンサーからなる「True Depthカメラ」が備わっていて、これによりFace IDが機能しています。Face IDは顔を立体的にとらえるこができるなど精度の高い顔認証技術を持ち、基本的には持ち主と他人を間違うことはありません。

 

とはいえ、よく似た双子は見分けることができない場合もあるようで、Face IDについてこんな注意書きが。

双子や似ている兄弟姉妹、または 13 歳未満の子供については顔の特徴も成長途上にあるため、統計的な確率が違ってきます。この点について懸念される場合は、パスコード認証をご利用になることをおすすめします。

 

(出典:Apple|先進の Face ID テクノロジーについて

Face IDは顔認証を繰り返すごとに持ち主の顔を学習していきます。動画では、弟のかずやさんの顔登録後すぐに兄のたくやさんでロック解除を試していることから、顔の特徴点など学習すべき情報が不十分で誤認したのではないかと考えられます。

スマホの顔認証では双子だけでなく、よく似ている他人、親と子、本人そっくりに作ったフェイスマスクで誤認してしまったケースがありますね。数字や文字を組み合わせるパスワードよりセキュリティの高い顔認証が突破できてしまっては、個人情報がバレてしまう可能性は否定できません。

 

パスワードを入力するよりも顔認証でパッとロック解除できる方が断然便利。だけど、顔認証が他人でも解除できたりなりすましされるのは怖い。

 

そんな問題を解決してくれるのではないかと注目されている技術があります。それは、生体認証のひとつとして既に実用されているものでした。

顔の血管パターンで認証が可能に?!

Appleは2018年2月、顔の表皮下の血管パターンを認識して個人を識別する技術の特許出願を行いました。

 

血管を利用した生体認証には、手のひらや指の静脈を使い本人確認する「静脈認証」があります。Appleが出願した技術は、これを顔の血管に置き換えたものと考えると分かりやすいと思います。

(出典:CNET japan|アップル、表皮下の血管パターンで双子すら見分ける顔認証技術–特許を出願

血管パターンは人それぞれ異なり、そもそも肉眼で見るのは難しく偽造することも困難です。どんなにそっくりな双子でも血管パターンは異なるため、実用化されればこれまでのような誤認は減っていくでしょう。また血管パターンは赤外線で捉えることができ、すでにiPhoneがもつシステムを使うことからソフトウェアアップデートのみで実装可能になるという話も出ています。

 

現時点でも高精度といえるFace IDは、この技術でより一層パワーアップするのではないかと期待がふくらみます。これならそっくりなザ・たっちのお二人も見分けられそうです。顔×血管の認証は、どちらか一方での認証に比べてセキュリティも向上できますね。実現するかどうかは未だ不明ですが、この技術については今後も追っていきたいと思います!

双子を見分ける顔認証がオリンピックに導入

世界中から日本に、そして東京に人も注目も集まる一大イベントの東京オリンピック。なんと、オリンピック・パラリンピック史上初めて顔認証が導入がされる大会でもあります。

 

顔認証技術を提供するのはNEC。同社は30年前から顔認証技術の研究・開発に取り組み、今では世界的なベンチマークテストで他社と圧倒的な差をつける高精度な顔認証技術を持ちます。双子を見分けるほか、経年変化、マスクの着用や人と重なって顔の一部が隠れている場合でも本人確認が行えます。

 

東京オリンピック・パラリンピックでは、大会関係者の入退場時の本人確認に同社の顔認証を導入することが決定しています。

(出典:NEC|東京2020スペシャルサイト

東京2020大会では、NECの生体認証「Bio-IDiom」(注2)の中核技術であり、世界No.1の認証精度(注3)を有する顔認証AIエンジン「NeoFace」(注4)を活用した顔認証システムの導入により、選手やスタッフ、ボランティアなどの大会関係者約30万人を対象に、すべての大会会場で顔とIDカードを組み合わせた厳格な本人確認を実現します。

 

(出典:NEC|NEC、顔認証システムを東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関係者の会場入場時における本人確認システムとして納入

過去の大会では、複数の競技会場をひとつにまとめたオリンピックパークを設けていたので、パーク内に入場する際のセキュリティチェックは一度の実施でOKでした。しかし、東京2020大会ではオリンピックパークは設けず、競技会場が分散しているため各会場で入場時に毎回セキュリティチェックをする必要があります。また、大会関係者は会場内の重要エリアに立ち入ることから、より高いセキュリティも求められます。

 

これだけでなく、競技会場が都心に集中しているため強固な警備が必要であることや、開催時期が猛暑となる懸念もあります。課題の多いオリンピック・パラリンピックですが、安心安全かつスムーズな警備を実現しなくてはいけません。

(出典:NEC YouTube公式サイト

大会では、ICチップ搭載のIDカードと、事前に撮影・登録した顔画像をシステム上で紐づけ、会場の関係者エリアの入場ゲートに設置した顔認証装置を用いて本人確認が行われます。装置はIDカードを読み取ると即座に顔認証を行うためスムーズな本人確認を実現できます。これによりIDカードの貸し借り、盗難によるなりすまし入場、IDカード偽装による不正入場を防止できるだけでなく、人手による本人確認作業の負担を減らし混雑発生を防ぐといいます。

 

顔認証の導入は、警備力をアップし安心安全な大会開催に貢献すると同時に、アスリートをはじめ大会関係者にとってストレスのない本人確認を行うことができそうです。また、この度の顔認証導入は日本の優れた技術を世界にアピールする機会にもなるのではないでしょうか。これを皮切りに、今後のオリンピック・パラリンピックでも顔認証による本人確認が定着するかもしれませんね。

 

2019年は「顔認証元年」と言われ、店舗での決済、ホテルのチェックイン、空港の出入国審査など顔認証の活用が広がった年でした。2020年もどんどん技術が進歩し私たちの生活をより便利に、より豊かにしてくれることを願います。

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