RN 009607

【ロボットの目】マスク・斜めも問題なし 進化し続ける顔認証

2020.01.27  | 
WRITER:
haruka
 

「マスクをしていると顔認証できなくて不便」という声がちらほら聞こえてきます。風邪やインフルエンザ予防、花粉の季節、さらにはスッピン隠しやファッションとして・・・日本では季節関係なくマスクを着用している人が多いです。

 

顔認証によるスマートフォンのロック解除が主流になった今、顔の一部が隠れていても識別してくれる機能があればいいのですが、現在はサングラスをかけた状態での識別が限界です。

スマホの顔認証登録はサングラス着用可

Appleの「iPhone」とGoogleの「Pixel」、それぞれの顔認証について調べてみると、条件付きでサングラスには対応していることが分かりました。

 

まずiPhoneのFaceIDですが、次のように記載されています。

目、鼻、口がしっかりと TrueDepthカメラに映っているか確認してください。

Face IDは、さまざまなサングラスをかけていても機能するようになっています。特定の光をカットしてくれる偏光サングラスをかけている場合は、TrueDepthカメラで使われている赤外線が遮られる可能性があります。その場合は、サングラスをかけずに Face IDをお使いください。

 

(出典:Apple|iPhoneやiPad ProでFace IDが機能しない場合

偏光サングラスでなければ対応できるようです。

 

また、Pixel4に搭載された顔認証(Face unlock)は、設定画面に「メガネやサングラス(薄い色)をかけていても大丈夫です」と記載されています。ただし、「マスクや濃い色のサングラスなどをつけている場合は外す」という注意書きもあり、どんな状態でも識別できるということではないことが分かります。

 

(出典:Pixcel Phone ヘルプ|顔認証でPixelのロックを解除する

では、マスクはどうでしょうか。調べてみると、やはりマスクをして鼻と口が完全に隠れている状態での顔認証は不可能なようです。私自身、マスクをしているときに顔認証ができたことは一度もありません。

 

この不便さをどうにかしようと、スマートフォンの顔認証を「マスクから鼻が出るようにして顔を登録した」という人もいます。何も着けていない顔・マスクを着けている顔の2通りを登録することで、どちらも認識できるようにしたのですね。

 

顔の照合に必要な特徴点である目・鼻・口。前述したケースでは、このうち目と鼻が照合できたことで顔認証が解除できたと考えられます。この方法は、持ち主の顔だけ判別すればよいスマートフォンならではの解決法と言えるでしょう。

マスク着用時のロック解除がスキップできるように

Appleが2020年5月21日(日本時間)にリリースした「iOS 13.5」では、iPhoneのロック解除時のFace IDが、マスクをしている場合に瞬時にパスコード画面へと切り替わるようになりました!

 

これまでは、マスクを着けたままFace IDを解除しようとする→失敗してパスコード画面に切り替わる→入力して解除という流れだったため、ロック解除に少し時間がかかっていました。ちょっとストレスに感じていた方もいるのではないでしょうか?私はそうでした。笑

 

「iOS 13.5」からは、マスクを着けているとFace IDを飛ばしてすぐにパスコード画面に切り替わります。ほんの少しの変化ですが便利になりましたよね。このアップデートは、コロナウイルス感染症の流行によりマスクを着ける人が非常に増えたことが背景にあるでしょう。このほか同アップデートでは、AppleとGoogleが共同開発した新型コロナウイルス感染症の「濃厚接触通知アプリ」のAPIにも対応します。

 

 

 

顔認証のメリットは、本人確認が一瞬でできること、そしてパスワードのように忘れることがないという点です。スマートフォンではまだマスクをした状態の顔は認識してくれませんが、公共の場で防犯カメラ等に導入されている顔認証システムは、顔がはっきりとわからない状態でも人物を識別できるようになってきています。

顔の一部が隠れていても識別可能に!

公共の場で活用されている顔認証システムは、不特定多数の顔を識別しなくてはいけません。そうした状況で、顔が隠れていても識別できるようになった理由として、各社独自の認識方法やディープラーニングを用いていることが挙げられます。

例えば、トリプルアイズのディープラーニングによる画像認識プラットフォーム『AIZE』は、世界最大級の512の特徴量によって顔の認証率を高め、正面画像であれば99%の認証率を持ちます。マスクやサングラスをしていても高確度で認識できます。

 

同社は2014年から囲碁AIの開発に取り組んでおり、開発した囲碁プログラム『Raynz(レインズ)』は「博思杯2019囲碁AI世界大会」にて第4位に輝きました。そんな囲碁AIで独自開発した画像認識技術を応用したものが『AIZE』です。

 

『AIZE』は小売店や飲食店などに導入されています。人数の推定、性別や年齢など属性の推定、感情の分析のほか、不審な行動を見つけたりすることも可能です。防犯においては「AIZE Security」というサービスがあり、要注意人物の顔を認識しアラートを出すこともできます。

 

(出典:画像解析プラットフォーム「AIZE(アイズ)」 サイトオープンのお知らせ ~顧客コミュニケーションを変えるデジタルマーケティングへの第一歩~AI×防犯カメラで、マスクやサングラスでも顔認証! トリプルアイズがセキュリティコンサルティングの日本防犯システムと業務提携

 

また、パナソニックの顔認証システム『FacePRO』は、世界最高水準の顔認証エンジンを用いることで、部分的に隠れていたり斜めを向いている顔、さらに経年変化にも対応できます。

アジア首位の学術機関であり、ディープラーニングの技術の最先端研究を行うシンガポール国立大学と連携し開発した認識エンジンは、世界最高水準の顔認証性能を実現。世界で最も権威のある機関の一つアメリカ国立標準技術研究所NISTにおいて、世界最高レベルの顔認証性能が証明されています(2017年5月現在)

 

(出典:パナソニック|顔認証システム FacePRO

『FacePRO』では「正面に強いディープラーニング」と「斜めに強いディープラーニング」を組み合わせることで、顔の特徴をより高精度に捉えることができます。

(出典:PanasonicSolPRESS YouTube公式サイト【GTC Japan 2018】パナソニック、ディープラーニングを使った顔認証システム「FacePRO」を解説

 

NECも生体認証分野を積極的に強化しており、マスクの着用など顔が隠れている場合でも高精度で顔認証できる技術を持っています。

「NECは、”本人”と”似ている他人”の違いを最大限に強調する独自の顔認証アルゴリズムによって、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証ベンチマークテスト(FRVT)で、認証精度と検索速度で圧倒的な性能を達成。2019年に公開されたFRVT2018で5回目の世界No.1を獲得しています」

 

(出典:NEC|これからの社会を支える、世界最先端の生体認証とは

同社は「虹彩認証」においても世界トップクラスの技術力を持ち、「顔×虹彩」のように複数の生体認証を組み合わせ、高い精度・利便性を叶えるマルチモーダル認証にも取り組んでいます。これにより、将来的には今以上にスムーズな本人確認ができるかもしれません。

 

(出典:NEC|これからの社会を支える、世界最先端の生体認証とは

「特徴点」と「ディープラーニング」

顔認証には、顔の検出→顔の特徴点の検出→顔の照合という基本の流れがあります。特徴点の検出時には、目・鼻・口などパーツの位置、その距離や大きさ、顔の凹凸といった特徴点を細かく検出し数値化しています。この数値と、登録されている顔の数値を照合することで本人確認が行えます。

 

現在活用されている顔認証の多くは、顔を立体的に認識・識別する「3D顔認証」です。立体的に顔を検出できるようになり顔認証の精度が向上しました。

 

そしてディープラーニング(深層学習)の登場で、飛躍的に精度が上がりました。ディープラーニングは人間の脳のしくみを模倣したもので、膨大なデータの特徴を自ら学習・分析することができます。顔の一部が隠れた状態、顔が斜めに映っている、暗いところなど、これまで識別が難しかった条件下での顔認証を可能にしたのは、ディープラーニングの優れた能力のおかげということですね。

顔認証が実用化され始めた頃は、人間の顔に似せたフェイスマスクで突破できてしまったり、正面でないと認識できないなど不便なこともありました。今では技術が加速度的に進歩し、悪条件でも人物を識別できます。こうした技術があることを知ると、近々スマートフォンの顔認証もマスクに対応するんじゃないか?と期待が膨らみますね!

thank you

この記事に関連するタグ

広告主募集
TARA
上に戻る