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【ロボットの目】空港に顔認証ゲート導入 出入国がスムーズに!

2020.01.17  | 
WRITER:
haruka
 

瞬時に顔を識別し本人確認を行える顔認証システムは、近年身近な技術となり、さまざまなモノ・場所で普及しています。今回は、一日に何万人という旅行者が利用する空港の出入国審査に導入された顔認証ゲートに注目し、その特徴やメリット、国内外での導入例をまとめました。

日本の空港で導入された「顔認証ゲート」

空港における顔認証システムの活用は、国を挙げて取り組みが進められています。その背景には、日本の観光立国の実現と、空港の混雑緩和・業務効率化があります。

 

政府は訪日外国人旅行者数を2020年に4,000万人、2030年に6,000万人とする目標を掲げ、日本のプロモーションを強化したり多言語対応を進めるなどさまざまな取り組みを行っています。2018年の訪日外国人旅行者数は3119万人と調査開始以来最高値となりました。

 

旅行者が増えるにつれ空港は混雑し、出入国審査官の業務負担も増えています。そこで顔認証ゲートを導入し、手続きを効率化したい考えです。

2017年10月から、日本人旅行者を対象に羽田空港上陸(帰国)審査場に顔認証ゲートが先行導入されました。まずは日本人旅行者の手続きを合理化し、その分外国人旅行者の手続きに審査官を充てようという狙いがあります。

 

そして2019年7月からは全国の7空港へ本格導入が始まり、外国人旅行者の出国手続きにも活用されています。

 

(出典:法務省|羽田空港における「顔認証ゲート」の導入について外国人の出国手続における顔認証ゲートの活用について

出入国審査があっという間に終わる

顔認証ゲートの導入による一番のメリットは、出入国審査にかかる時間がこれまでよりも大幅に削減できるという点です。空港スタッフの業務効率化はもちろん、混雑が緩和し旅行者も手続きがスピーディーに行えるようになりました。

 

顔認証ゲートでの審査は

  1. パスポートの顔写真ページを旅券リーダに置くと情報が読み込まれ
  2. 顔認証ゲートの内蔵カメラで顔写真を撮り
  3. 顔認証の処理が完了し、問題がなければゲートを通過できる

という手順で行われ、事前登録なしで利用できます。顔認証ゲートで撮影された顔写真は、本人確認のための照合にのみに利用され保存はされません。

 

ちなみに、顔認証ゲートを利用すると証印(スタンプ)が省略されるのですが、免許証の申請や非居住者の免税手続きなどで必要な人は、顔認証ゲート通過後に審査官に伝えると押してもらえます。

 

全国の7空港に導入されたのはパナソニックが開発した『顔認証ゲート』です。同社の発表によると2020年7月上旬までに合計203式の『顔認証ゲート』が導入される予定です。

(出典:パナソニック|法務省様がパナソニック製「顔認証ゲート」の運用を拡大Channel Panasonic YouTube公式サイト

 

また2020年春には、NECの顔認証技術を活用した新しい搭乗手続き『OneID』が成田空港に導入予定です。これにより、空港での最初の手続き時(チェックイン等)に顔写真を登録することで、その後の手荷物預け・保安検査・搭乗ゲートで必要な搭乗券やパスポートの提示をすることなく、顔パスで通過できるようになるといいます。

(出典:NEC|成田空港の新しい搭乗手続き「OneID」にNECの顔認証システムが採用決定NEC YouTube公式サイト

パナソニックの『顔認証ゲート』は私も実際に入国手続きで利用しましたが、あっという間に審査が完了したのを覚えています!『OneID』も事前に情報を登録しておくことで、搭乗日にバタバタすることなくスムーズに手続きが完了できて便利そうですね。

テロなどの犯罪防止にも

空港での顔認証ゲート導入のもうひとつのメリットとして、犯罪を未然に防ぐ効果が期待できます。

 

現在、テロを未然に防ぐため、外国人が日本へ入国する際には顔写真の撮影と指紋の提供が義務付けられています。これに顔認証ゲートが加わることで、より精度の高いセキュリティが実現できます。偽装パスポートによる不正入国を防げたり、例えば他の国と犯罪者の顔のデータを共有しておけば、日本への入国を防ぐこともできるでしょう。

世界の空港で広まる「顔認証ゲート」

アメリカ合衆国国土安全保障省(DHS)は、2016年から顔認証システム『Biometric Air Exit』を空港に設置し始め、2018年末時点で15空港の出国ゲートにて『Biometric Air Exit』によるチェックが行われています。DHSは今後4年以内に、アメリカから出国する旅客の97%にチェックを実施する計画を発表しており、主な目的として旅客の本人確認に加え、不法滞在者の摘発を挙げています。

 

(出典:アメリカの空港で全面導入が進む顔認証システム プライバシー懸念も

 

さらにアメリカでは、テロ防止に繋げる取り組みも始まっています。

米トランプ大統領は3月6日、2021年までに全米トップ20の空港において顔認証システムを導入するという大統領令を出した。全ての国際便の乗客が対象となり、米国市民も含まれる。顔認証システムを導入する目的は、「米国への入国が認められた外国人によるテロ行為から国家を守るため」だという。

 

(出典:米空港で進む、乗客全員の「顔認証システム」の恐ろしさ

日本の空港での顔認証ゲートは現在、手続きの効率化に重きが置かれていますが、アメリカでは主に犯罪防止や不法滞在者を見つける目的で導入されているんですね。

 

また、至る所で顔認証システムが活用されている中国では、2017年から空港での手続きに導入され始めました。2019年5月には、顔認証を利用したゲートによりセキュリティチェックから搭乗までの全手続きが行えるようになることが明らかになり、全国展開を進めていく考えです。2019年9月に正式に開業した「北京大興国際空港」でも、入場から搭乗まで顔認証によるチェックを実施するといいます。

 

(出典:空港セキュリティ・スマートシステムが実用化 顔認証で搭乗顔パスで飛行機に乗れる空港、「北京大興国際机場」が開業

「自動化ゲート」と何が違う?

空港には、顔認証ゲートより前に導入されたシステムとして自動化ゲートがあります。顔認証ゲートと同様に、出入国審査の混雑を緩和する目的で導入されています。自動化ゲートはパスポートと指紋の照合で手続きが行えます。

 

顔認証ゲートとの大きな違いは、事前登録が必要ということです。フライト当日に申請ができ5分程度で登録が完了するといいますが、事前登録が必要ない顔認証ゲートに比べるとちょっとだけ手間がかかりますね。また、顔認証ゲートと同様に証印は省略されます。

 

このほか、外国人旅行者を対象としたシステムにバイオカートがあります。これも顔認証ゲートより前に導入され、混雑緩和や犯罪防止を目的としています。バイオカートは上陸審査の待ち時間にパスポート・指紋・顔画像の提供が必要です。

 

(出典:法務省|自動化ゲートの運用について(お知らせ)バイオカートの運用について(お知らせ)

これまであったシステムと比べると、あっという間に手続きが完了する顔認証ゲートは非常に便利であることが分かります。

 

もちろん、混雑の緩和・業務効率化・犯罪防止といったメリットだけに注目するのではなく、大勢の個人情報が扱われるという点に十分注意しなければいけません。顔のデータがどのように扱われるのか周知することも重要と言えます。

 

日本の空港で始まった顔認証ゲートは、今のところ大きなトラブルは起きていないようですが、証印の省略には注意が必要ですね。今後全国の空港に導入されていくことで改善点も見えてくるでしょう。顔認証の精度や機能、使いやすさがアップし、快適な旅行を実現するより良いサービスになっていってほしいですね。

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