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繊細な感覚を持つロボット・ハンドを。光を使ったセンサー技術

2016.08.12  | 
WRITER:
あずさゆみ
 

人と遭遇することがない管理された環境でのみ稼働する産業ロボットであれば、限られた数のセンサーでも問題なく正確な操作がおこなえます。

ロボットハンド

ロボットハンド

ですが、人間のいる環境で自律的に動き、予期せぬ力を受けたときにも人間に危険が及ばないように反応するためには、より多くのセンサーをロボット・ハンドに搭載する必要が出てきます。
たとえソフトロボットでも、力の制御がきちんとできていなければ危険ですよね。きちんと力を制御するためには、まず外力を正確に測定することが必要……というわけで考案されたのが、光センサを内蔵したロボット・ハンドです。

光センサーを搭載したロボットハンド

光センサーを搭載したロボット・ハンド

3本指のロボット・ハンドの骨は、人間の骨格を真似て作られた硬質プラスティック製。指を曲げるための腱と、曲げた指を伸ばすための腱がひと組ついています。指には8つの圧力センサーが搭載されていて、加わった力を検出することができます。そして、ソフト・シリコーンで覆われた各指の、(関節で区切られた)3箇所それぞれに6つずつ取りつけられたセンサーは、圧力を受けている場所を検知します。
指の内部には、軟らかい素材でできた光ファイバーと、それを覆う金の反射層。シリコーンに力がかかって変形すると、反射層に細かいヒビが生じて光が逃げます。この、逃げた光を測定することで、変形や圧力の度合いが計算できるというわけです。人間の指の感覚は、本当に繊細ですよね。髪の毛が1本引っかかっても気づきますし、ゴマどころかケシ粒だって感じ取ることができます。繊維の微妙な柔らかさの違い、毛羽まで感じ取れる、人体でももっとも敏感な器官のひとつです。

 

ロボットが人間の手に近づくためには、センサーをたくさん搭載すればよいようにも思いますが、ことはそう簡単ではありません。関節が多い手に大量のセンサーを搭載すれば、それだけ構造が複雑になりますし、故障のリスクも高まってしまいます。しかも通常のセンサーは、電磁干渉を受けてしまいます。

 

漏れた光を測定するというアイディア、画期的に思えます。加えられた力を物理的に測定しているだけですし、液体は困りますが光が漏れ出しても故障を引き起こすことはありません。このセンサー技術、いずれは義手なんかにも使えそうで、期待が高まります。

 

画像・ソース
カーネギー・メロン大学

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