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力強さより“しなやかさ“重視!近年注目を集める「ソフトロボティクス」とは

2019.09.05  | 
WRITER:
haruka
 

ASIMOなどの二足歩行ロボット、Pepperなどのヒューマノイドロボット、ガンダムなどアニメに出てくるロボット。これらは硬い素材で作られていますが、柔らかい素材でできたロボットの開発も活発化しています。

ロボットなのに柔らかい??

ソフトロボット/ソフトロボティクス」は、2010年頃から認知され始めた比較的新しい分野です。従来のロボットのような金属製の素材ではなく、シリコンなど柔らかい素材が使われています。

ソフトロボットは、ロボット部品に柔軟な素材を用いることで、従来のロボティクスで使用されているアクチュエータなどの駆動系を大きく変えることなく、より複雑な振る舞いを実現できます。

(出典:会津大学復興支援センター

「ソフトロボット」のメリットは、金属製のロボットに比べ優しく物を掴むことができたり、人間や物を傷つけないという点です。

優しく物を掴む産業用ロボット

アメリカのロボットハンド専門企業であるソフト・ロボティクス社が開発した「SuperPick(スーパーピック)」は、割れやすい卵やカップケーキ、トマトなど傷つきやすい食品まで丁寧かつしっかり掴むことができます。

Soft Robotics Inc. YouTube公式サイトより)

従来の硬いロボットなら卵割っちゃうと思います。柔らかさのおかげで傷つけないことに加え、正確な動きをしてくれるので人間の代わりに単純作業を行ってくれますね。

 

「SuperPick」は独自開発した最新ビジョン技術やアルゴリズム、特許を取得している素材などのテクノロジーを応用し、高い精度とスピードでピッキングできます。

 

最大の特長は、“ハンド“(青い部分)の素材と独自開発したビジョンシステムにより、まるで人間の手のように物を掴めるということ!

 

従来のロボットが物を掴めるようになるには、事前に膨大なデータをインプットする必要がありました。しかし「SuperPick」は対象となる物の重心・素材・大きさを自動で判断・調節することができるため、適切な握力で掴むことができるんです。

 

「SuperPick」のように人間の手の代わりとなるような産業用ロボットのほか、芋虫やクモ、魚など生物の形をしたソフトロボットも開発されています。過去にはタコを模したロボットも話題になりました。

硬い部品は一切なし!

2016年に話題になった「Octobot(オクトボット)」。その名の通りタコを模したソフトロボットで、ハーバード大学の研究者たちが開発しました。

ハーバード大学 YouTube公式サイトより)

「Octobot」は、バッテリーや回路まで全て柔らかい素材だけで作られているだけでなく、化学反応を利用して自律行動ができるという点でも注目を集めました。

 

「Octobot」の開発は、特定の目的のために作られたというよりは「柔らかい素材だけでロボットを作ることができる」ということを示すために作られたという理由が大きかったようです。狭いところでの作業など、柔らかさを活かし人間の代わりに作業をするロボットの開発などへの活用が期待されていました。

日本における「ソフトロボット」の研究

「ソフトロボット」の開発は、海外だけでなく日本でも進められています。

 

文部科学省の新学術領域研究の一つとして、『ソフトロボット学』(2018年度~2022年度)が創設されました。生体システムのもつ「やわらかさ」に注目し、生体システムの価値観に基づいた自立する人工物の創造を目指しています。

生物の身体は、やわらかく、その形態と構造、仕組み、情報処理機構のどれをとっても現在の我々が構築しうる人工物とは根本的に性質を異にしている。我々は、このフロンティアを新学術領域「ソフトロボット学」と名付ける。各分野で起こっている新しい研究群を融合させ、ソフトロボット学の大きな学術的潮流を創りだすことが本領域の目的である。

(出典:Science of Soft Robots

『ソフトロボット学』は、しなやかな体のデザインを目指す「ソフトロボット設計学」、しなやかな動きを作り出す「ソフトロボット物質学」、しなやかな知能の設計を目指す「ソフトロボット情報学」の3つから構成されています。

 

将来的には福祉・社会インフラ、介護・人間共存、ソフト人工物への展開を目指しているようです。

 

ロボット大国と言われる日本。「ソフトロボット」においても世界のトップとなることができるのか注目していきたいですね。

「ソフトロボット」は金属を使っていない分軽量化できたり、3Dプリンターで作ることも可能なため大量生産できるのではないかとも言われています。さらに、産業用だけでなく義肢や臓器など医療分野での活用も期待されており、今後ますます発展していく分野になりそうです!

 

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