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カッティングから組み立てまで。木造建築もロボットにおまかせ!

2018.03.30  | 
WRITER:
あずさゆみ
 

建築の現場でも活躍が期待されるロボット。ブロックを積みあげるロボットや、壁や橋を「出力する」3Dプリンタなど、さまざまなタイプのロボットが登場していますね。植物の成長をコントロールして住宅の形状に育てるという試みもありますが、いずれのケースも日本人が持っている「おうち」のイメージからはちょっと外れているかも、と思っていたら……。
ついに、木造住宅を「建てて」くれるロボットが登場しました!

スイス発、ロボットが作るプレハブ住宅

スイスのNCCR(連邦研究能力センター)をはじめとした複数の研究機関の共同プロジェクトであるDFAB HOUSE。DFABはDigital Fabrication(デジタル建築)を意味します。

わたしたちにとって馴染みのある木造建築。日本の木造軸組構法では、必要な長さに切って刻みを入れた柱や梁を現地で組み(上棟)、屋根と床、壁と天井を作っていきます。この工法での工期は、4~6ヵ月程度でしょうか。また、木造プレハブ住宅は、工場で生産された木質パネルを現地で組み立てる工法です。こちらの工期は、3ヵ月程度です。

 

DFAB HOUSEは、木構造のモジュールをロボットが工場で製作するプレハブ住宅です。工場でモジュールを作るので、現場作業に要する期間は、上記の工法より短く抑えられるでしょう。今回のプロジェクトでは、延べ床面積100平米以上の2階建て居住ユニットを、487本の柱や梁を使って製作するとのこと。その肝となるのが、Spatial Timber Assemblies、すなわち立体の木枠モジュールを製作する過程を、部材のカッティングから組み立てまで一貫してロボットがおこなうというもの。それでは、動画をご覧ください。

CADデータを基に木材をカット、続いて連結用の穴が空けられます。その木材を立体的に組んでいくわけですが、ボルトによる固定だけは人の手でおこなっているようですね。


柱をがっちり掴んで所定の位置に運ぶアームは、かなりの大きさです。この大きさで487本もの柱と梁を組むのはなかなか大変そうですが、iGPS(屋内GPS)と光学センサーで作業経路を計算し、クリアランスを確保しているそうです。

基礎部分は3Dプリンターで

組みあげられた住宅モジュールは、3Dプリンターで製作された軽量コンクリートスラブの基礎(台座?)に固定します。完成予想図は、こちら。

同じように木枠を用いる工法にツーバイフォー(2インチ×4インチの角材で枠組を作るので、この名があります)がありますが、ツーバイフォーとDFAB HOUSEには大きな違いがあります。ツーバイフォーが壁パネルで家を支えるのに対して、DFAB HOUSEは柱で荷重を受けるため、補強パネルが減る分だけ家全体が軽くなるのです。

完成予想図では、半透明の膜のような外壁を通して、建物の構造が見えるようになっています。柱で建物を支える構造なら、木造軸組構法で建てられた日本の住宅のように、間取りを変更することもできるのでしょうか。

 

この工法ならば建築現場での工期が大幅に短縮されて、ご近所の負担も軽減できそうです。お天気の影響を受けないのも嬉しいところ。この工法が普及して、建築費用で大きなウェイトを占める人件費を削減できるようになれば、住宅の価格も下がるかもしれませんね。

 

DFAB HOUSEの竣工は今夏で、スマートハウスの実験に使用される予定だそうです。

 

画像ソース:DFAB HOUSEプロジェクト公式サイト

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