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”不気味の谷”はどこからくるのか? アンドロイドに反応する脳領域がわかった!

2018.03.16  | 
WRITER:
工樂真澄
 

今までにアンドロイドと接したことがありますか? 「別になんとも思わなかったよ。普通の人と接するのと変わらないよ。」という強心臓をお持ちの方は、それほど多くはないでしょう。

人じゃないのはわかってるんだけど、かといって冷蔵庫や扇風機と同じような機械だとも思えなくて……

なんとなく、うす気味悪いよね。

わかります、その気持ち! それこそが「気味の谷詳しくはこちら」なのです。この言葉は1970年代に使われ始めたそうで、その不気味の正体を探るべく研究が進んでいます。

 

原因の一つと考えられるのが「見た目と動きのギャップ」。人に酷似していることから、無意識のうちに人と同じようなスムーズな動きを期待してしまうのです。また、見た目そのものはあまり関係なく、動きのぎこちなさからくる違和感に由来するとも考えられています。

不気味の谷」は脳のどこからやってくるのか

この「不気味の谷」がどこから来るのかを調べたのが大阪大学、国際医工情報センターの平田雅之教授らのグループです。被験者として健康な14人の若者に協力してもらい、大阪大学で開発されたアンドロイド「Geminoid F」と、アンドロイドの動きを真似た人をそれぞれ撮影した動画を見てもらいました。動画は36パターンのさまざまな表情を撮影したものです。実験にはfMRI(機能的磁気共鳴画像法)を使い、アンドロイドを見ているときに特異的に反応する脳の領域を調べました。

Ikeda T et al. Sci. Rep. 7. 17851(2017) Supp. Video

 

その結果、アンドロイドの動きを見ているときは、人の動きを見ているときよりも、視覚に関わる領域が活発になることがわかりました。また、「視床下核」というところが強く反応することもわかりました。研究の結果は2017年の12月に「サイエンティフィック・リポーツ」という学術誌に発表されました。

Ikeda T et al. Sci. Rep.vol. 7: 17851(2017)  Fig.3より。明るい部分が視床下核

 

視床下核は脳の中心近くにあるわずか数ミリほどの小さな部位で、動きのコントロールを行っていると考えられています。最近の研究によれば、他の人の動きを見ると視床下核が反応して、動きや感情などにつながる可能性があるようです。このことから、アンドロイドの動きのぎこちなさに視床下核が反応することが、不気味さを感じるメカニズムの一環だと考えられます。

「不気味の谷」越えは、アンドロイド普及のための大きな課題

ホテルの受付やレストランのオーダーなど、アンドロイドを当たり前のように見かける日もそう遠くはないでしょう。しかし、本格的に普及するには、老若男女、誰にとっても受け入れやすいものでなければなりません。そのためにも「不気味の谷」をどう乗り越えるかは、これからの大きなテーマです。動きをスムーズにすることで違和感は解消されるのか、それとも、人のほうがアンドロイドのぎこちなさに慣れていくのか……

今回ご紹介した研究結果は、今後のアンドロイド開発に応用されるとのことです。

 

ソース、画像:Ikeda T et al., Scientific Reports vol. 7: 17851(2017)

大阪大学リソウ

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