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世界の軍用多脚ロボットを集めてみた

2018.02.27  | 
WRITER:
irbis
 

先日の記事で、ボストン・ダイナミクス社で開発されていた四本足や六本足の多脚UGV(無人地上車両)は、アメリカ軍には採用されなかったという話題を取り上げました。一方、道の悪い戦場での物資の輸送には、今でもラクダやラマのような四本足の動物の方が便利ではないかという話もあります。(関連記事:「タチコマよりロジコマ?! 戦場の小口配送には四足歩行ロボット!」)

 

それに、『攻殻機動隊』を見て未来の世界はこうなっているのか、と空想を膨らませた世代としましては、やはり、タチコマのような四本足で歩くロボット戦車にロマンを感じます。『攻殻機動隊』の世界では、タチコマ以外の戦車も四本足で歩くタイプでしたね。

そこで、世界の他の国では四本足や六本足で歩く多脚ロボットは開発していないのか調べてみました。すると、戦車ではないものの輸送用や偵察用の多脚ロボットがいくつも研究・開発されていましたのでご紹介します。

オーストラリア

Weaver(ウィーバー)

6本足でクモのように動くウィーバー

オーストラリア連邦科学産業研究機構CSIRO、キャンベラ)が開発しているクモのような形をした小型六脚型プラットフォームです。
2017年時点ではプロトタイプです。屈伸体操(?)をしている様子はクモのようで、「タチコマみたい。6本足だけど」と思ったのですが、歩き方はクモと言うよりはカブトムシに似ています。

中国

Mountainous Bionic Quadruped Robot

 

2017年時点で中国北方工業公司Norinco)が開発中の大型の四脚輸送ロボットです。
2014年の中国国際応急救済装備技術展覧会 2014で「Mountinous Quadruped Bionic Mobile Platform」の名で初お目見えした四本足の無人機です。適当な写真がなかったのですが、ビッグ・ドッグに似ています。
中国も四川省など山岳地帯で地震が多い地域もありますので、崖崩れで道が塞がっていても乗り越えていけるロボットは、活躍の場が多そうです。

イタリア

HyQ(Hydraulic Quadruped)

2008年に開発が始まった四脚ロボット。2017年時点では、試作機が作られたところです。動画ではまだケーブルがついていますが、人間なら転んでしまうような強い力で横から蹴られても転ばずに耐え、自力で回復しています。ドローンなど空から地上を観測できる無人機との連携も重視されています。イタリアのロボットですから、最終的にはスタイリッシュな姿になって、オシャレな自家用ロボットにできれば売れるのではないか?と思ってしまいました。

研究開発はイタリア高度ロボット工学技術研究所IIT ADVR)。

ロシア

Lynx-BP(mobile biomorphic robot, BPMBR400)

Lynx-BP(mobile biomorphic robot, BPMBR400)

Lynx-BP 偵察用の機器を載せた状態で総重量400キログラム

中型の四脚輸送ロボット。イラストは偵察用機器を搭載していますが、ロシアだと機関銃などを乗せて武装させそうな気がしてなりません。

モスクワの全露科学研究所シグナル社AO VNII Signal)が、人型ロボットの開発で知られるアンドロイド・テクニクス社精密機械工業中央科学研究所TsNIITochMash)の協力で開発しています。2017年8月から予備実験が始まり(~2018年12月)、2019年1月からは公開トライアル(~6月)、2020年には実際に運用されるようになる予定です。

 

スイス

StarlETH(Springy Tetrapod with Articulated Robotics Legs ETH)

チューリッヒ工科大学が研究開発している産業環境調査、爆弾処理、捜索救助活動、地雷除去用の小型、四脚ロボットです。

動画はセンサーで地形を読み取って3D地図を自分で作成しながら進んでいく様子です。GPSの情報だけでは大雑把すぎ、かといって初めて行く場所ではあらかじめ詳細な3D地図は持っていないという場合に必要な技術です。自分の位置を知るために、周囲を観測して地図を作成する技術は、SONYの犬型ロボットaiboにも搭載されていますよね。

アメリカ

このページトップ画像のLS3など、アメリカではボストン・ダイナミクス社が有名ですが、ほかにもDARPAの資金援助で四足歩行ロボットを研究開発している企業や研究機関があります。
Ghost Minitaur

小型の偵察ロボット Ghost Minitaur

フィラデルフィアのGhost Robotics社がDARPAの資金援助を得て研究・開発をしています。ウォータープルーフバージョンが2019年までに完成する予定です。

ボストン・ダイナミクス社の小型UGV RHex同様、シンプルで頑丈そうなつくりですね。小型の偵察用UGVは、兵士が手に持って敵がいそうな家の中に窓から放り込む、といった荒っぽい使い方をするようです。ヘリコプターからバラ撒いても大丈夫な強度があれば、山岳地帯等での行方不明者の捜索にすぐにでも使えそうです。

 

MIT Cheetah II

マサチューセッツ工科大学MIT)が研究開発(2017年時点)している小型の四脚ロボットです。

本物のチーターと比べるとぎこちないですが、大きな胴体のバランスをとってハードルをきっちり飛び越えられるのはすごい!

災害救助に使えそう

こう見てくると、中には実用段階に近いロボットもあります。輸送用ロボットは、災害時などにも使えそうですね。
土砂崩れなどで道路が塞がったとしても乗り越えて物資を運べる輸送ロボットがあれば、孤立した集落にも救援物資を送ることができそうです。

 

小型の偵察ロボットは、遭難者の捜索に使えそうです。
災害直後の被災者の捜索では、災害救助犬の活躍が注目されていますが、犬も生き物なので24時間働き続けることはできません。疲れを知らずに黙々と探し続けるロボットと役割分担すれば、犬や人の負担を減らしながらもここぞというときに集中力を発揮するための良いパートナーになりそうです。

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