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「ロボット革命がはじまった-そして人に優しい社会へ」! 2017国際ロボット展に行ってきた!

2017.12.19  | 
WRITER:
工樂真澄
 

1947年の初開催以来、22回目をむかえる「国際ロボット展」。今年のテーマは「ロボット革命がはじまった-そして人に優しい社会へ」です。人と共存、協働することで、より優しい社会を作り出すことを目標に作られた数々のロボットが、一堂に会しました。

会場は大きく2つに分けられ、「産業用ロボットゾーン」では主に工場などで活躍するロボット、「サービスロボットゾーン」では介護・福祉、災害対応、農業などの分野をサポートするロボットが紹介されました。出展団体数が過去最高の612という今年のロボット展は、国内の企業はもとより、14カ国にもおよぶ海外からの出展がありました。数多くのワークショップや、大学や研究機関の先端ロボットの展示、さらに子ども向けのイベントも同時開催され、会場は連日多くの人でにぎわいました。

農業用ロボットの可能性は無限大!

「産業用ロボットゾーン」では、名だたる大企業の大型ロボットに圧倒されっぱなしでした。大小さまざまなアームロボットが会場にあふれていましたが、単腕型が多い中で、こちらはエプソンの双腕型ロボットです。

「見て、感じて、考えて、働く」自律型双腕ロボットということで、2本の7軸アームの先には多目的な用途に対応できるハンドが付いています。まるで目のようなカメラでとらえた画像を認識して、臨機応変に製品を組み立てていきます。多種類の商品を少量生産したい場合などに、力を発揮するロボットです。

「サービスロボットゾーン」では地域に密着した農業をサポートするロボットが目を引きました。農業ロボットは用途も明確で需要も多く、即戦力として期待がかかります。

こちらは山梨大学で開発されている「モモシンクイガ被害果検出システム」です。「桃」は山梨県の名産の一つですが、500個に1個の割合で「モモシンクイガ」という蛾の幼虫の被害を受けるそうです。桃に産みつけられた蛾の卵は幼虫になり、果実の中に入り込んで成長します。特に海外へ出荷する際には厳しい検疫があり、虫食い桃は一つ残らず検出、除去する必要があります。しかし、幼虫が果実に入り込んだ痕跡は、たった0.2ミリメートルほどの小さな孔だけで、肉眼でやっとわかる程度。現在のところ検査は人がルーペを使って行っていますが、その労力たるや、たいへんなものだそうです。この状況を解消すべく開発されたのが、X線による非破壊検査システムです。セットされた桃を6方向から撮影し、画像処理を行います。体長0.3ミリメートルの蛾の幼虫も見逃しません。

検査に合格した桃を並べるのもロボットの仕事。今まで1個当たり1分かかっていた人による検査が、ロボットを導入することで20秒にまで短縮されたそうです。このシステムはリンゴや梨など、実の詰まった果実への応用もきくそうです。

介護やエンターテインメント、教育にいたるまで、ロボットとともに描く未来社会

こちらは東海大学工学部機械工学科による、リハビリテーション用のアシストスーツです。歩行訓練を必要とする患者さんは、高齢社会になって今後ますます増えると考えられます。理学療法士さんの負担軽減のために考案されたこちらの器具。患者さんが自発的にリハビリテーションを行えるよう工夫されています。特に気を使ったのが安全面。今後は医療の現場での試験期間を経て、実用を目指します。

ドイツからはKUKAの「ビールサービスロボット」。このバーでビールを提供してくれるのは、バイエルンの民族衣装に身を包んだ店員さんではなく、ロボットです。動きも滑らかなアームに注いでもらうビールは近未来の味わいかも。ビール大国のドイツらしいロボットです。

その他にも併催企画として、子ども向けの体験型イベントが催され、こちらも大盛況でした。

以前このサイトでもご紹介した「子どもの理科離れをなくす会」と「インターグループ」による「ロボット教室体験会」には、100人を越えるお子さんが参加。みんな、初めてのロボット操縦に夢中で取り組んでいました。代表の北原先生は、10年後、今の子どもたちが大きくなる頃にはどんな社会になるのか、それまでにどんなことを身につけておくべきかについてお話され、保護者の皆さんも熱心に聞き入っていました。

 

モノづくり大国、日本の底力をあらためて感じた「2017国際ロボット展」。ここで出会ったロボットたちが、次回開催時までにどのような進化を遂げるのか。ぜひ期待したいと思います。

 

取材協力: 国際ロボット展日刊工業新聞

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