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世界初! ロボットに市民権を与えたサウジアラビアの思惑とは? 

2017.11.10  | 
WRITER:
工樂真澄
 

ロボットが身近になる近未来には、ロボットも人と同じように「権利」を主張するようになるかもしれません。この度、世界で初めてロボットに市民権を与えたのが「サウジアラビア」です。ロボットの名前は「ソフィア」。まずはその流ちょうな会話をご覧ください。

少しテンポはずれるものの、司会者の質問に臆することなく受け答えをするソフィアは、鼻筋の通ったなかなかの美人ヒューマノイドです。その深い瞳で見つめられたら、男性でなくても思わずドギマギしてしまうでしょう。顔を傾けたり、表情をゆがめたりしながら、身振り手振りを交えて行う会話はウィットに富んでおり、ソフィアの知能の高さがうかがえます。ソフィアを開発した香港の「HANSONロボティクス社は、今までもアインシュタインそっくりのヒューマノイドを発表するなどしており、より人に近いロボットの開発を目指しています。

 

ソフィアも人工知能を搭載しており、単純な受け答えはもちろんのこと、相手の表情からその人が怒っているのか、喜んでいるのかを読み取って、その場に応じた会話を行うことができるのだそうです。

女性ロボットに市民権を与えたサウジアラビアの思惑

2017年10月にサウジアラビアで開催されたFuture Investment Initiativeで、サウジアラビアはソフィアに「市民権」を与えることを発表しました。このニュースが広まるや否や、報道やネットでは、サウジアラビアの現状を揶揄するコメントが湧きあがりました。

サウジアラビアでは、生身の女性よりロボットのほうが権利が上?(BBCニュースより)

ご存じのようにサウジアラビアでは、女性の権利が著しく制限されています。政治や経済など、社会での女性の活躍度を数値化した「ジェンダー・エンパワーメント指数」では、2017年サウジアラビアは144カ国中138位となっています。ちなみに日本は114位ということですから、あまり他国を批判する立場ではなさそうですが……

 

サウジアラビアと言えば、つい最近、女性の自動車運転が解禁になることが話題になりました。ちなみに、国として女性の自動車運転を禁止しているのはサウジアラビアだけだそうです。また女性は、他人に肌や髪をさらすことが禁止されています。「アバヤ」と呼ばれる伝統衣装を頭からすっぽり被って、目だけを出している姿をニュースなどでご覧になったことがあるでしょう。これでは身体的にも気分的にも、活発に動けそうにはありません。

 

このようなサウジアラビアも世界的な風潮や社会の変化には抗えず、昨今、女性の社会進出を推し進める姿勢を前面に押し出しています。さらに、石油価格の下落を受けて従来の石油に依存した経済が低迷しつつある今、ムハンマド皇太子は「ビジョン2030」という「脱石油依存」の経済改革に乗り出しています。女性の社会進出は、それだけ多くの労働力の確保に繋がり、経済を立て直して国民の不満を払しょくするためには不可欠なのです。

「ソフィア」にサウジ女性の未来像を重ねる

サウジアラビアがあえて「女性」のロボットに市民権を与えたのは、今までの古い慣習から脱却して、男女同権の社会を目指すことを世界にアピールする狙いがあったのではないでしょうか。顔を覆い隠すこともなく、堂々と自分の意見を言う理知的な「ソフィア」は、これから期待されるサウジの女性像なのかもしれません。政治的思惑に利用されるソフィアですが、少しでも女性の権利獲得に役立つといいですね。

 

ソース・画像:The times of IsraelHanson Robotics

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