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月面ローバーSORATOを乗せたロケット、もうすぐ打ち上げ! 12月28日が待ち遠しい!

2017.10.30  | 
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irbis
 

無人機による月探査の技術を競うレース、Google Lunar X Prize
グーグルが出資し、Xプライズ財団が主催しているコンテストで、日本からはチームHAKUTOが参加しています。

 

このチームHAKUTOの製作した無人探査機SORATOの打ち上げが年末の12月28日に迫ってきました!

 

SORATOは先日、幕張メッセで開催されていたCEATECのauブースでも展示されていました。銀色の特徴的な機体を目の当たりにし、遂に「その日」が近づいてきたんだなと実感しました。

 

SORATOのボディにはHAKUTOパートナーの企業のロゴが見えます。上段にオフィシャルパートナーのau、下段左からIHIスズキZoffリクルートセメダインJAL。そのほか、多くの人の個人的支援やボランティアによって月に挑もうとしているのです。

HAKUTOのオフィシャルパートナーauのCM(ABB YouTubeチャンネルより)。この動画では、ボディ中央にウサギの耳のように2本のアンテナが立っていますが、ランダー変更(後述)のために月に行く機体は長いアンテナ1本となりました。

インドのロケットPSLVで打ち上げ!

日本のチームHAKUTOは、ローバー(月面探査車)のみの参加なので、打ち上げロケットランダー(月着陸船)を持っていません。

 

はじめ、アメリカのチーム、アストロボティックのランダーに乗せてもらい、スペースX社のロケットで一緒に打ち上げる予定でした。しかし、アストロボティックは2016年末に棄権してしまいます。

HAKUTOは常に他のチームと相乗りすることは考えていて、アストロボティックの計画がなかなか固まらないことから、チームインダスとも交渉していたそうです。結局、チームインダスのランダーHHKに積み込まれ、インド宇宙研究機構ISRO)のロケットPSLVで打ち上げられることになったのです。

 

PSLVは、マーズ・オービター・ミッション(MOM)で火星の周回探査機マンガルヤーンの打ち上げにも使われた実績のあるロケットです。

 

参考:ロボットノートの記事「ロボット×携帯=宇宙船? 次に火星に立つのはIT大国インド?」

 

ロケットも変わりランダーも変わり、着陸場所も変わったという事で、SORATOも短期間でそれらに合わせた仕様の変更を余儀なくされました。
たとえば、ランダーの変更によって通信方法も変わったので、アンテナが2本から長い1本に変更されています。

SORATOが安全に走行する鍵は通信

はいつも見えている割には384,400キロメートルも離れているので、電波でさえ往復するには3秒ほどかかります。SORATOの進む先に穴や岩があったとしても、カメラの映像が地上に届いて命令がSORATOに返ってくるまでにそんなにタイムラグがあると、間に合わずにひっくり返ってしまうかもしれません。一度ひっくり返ってしまったら、月には助け起こしてくれる人はいないのです。

月面探査車

月と地球の間は、384,400キロメートルも離れている……。

進行方向の危険をいち早く見つけるには、SORATOに搭載されたカメラから、できるだけ鮮明な映像が送られてきた方が良いのですが、ランダーとの通信にチームインダスが提供してくれる回線の速度は50kbpsだそうです。

 

auやdocomoのスマートフォンで速度制限がかかったことのある人もいると思いますが、速度制限がかかった状態で動画を見ると画像は荒れ、コマ落ちしますよね。そのときの通信速度は128kbps。SORATOの通信速度はその半分以下です。128kbpsより遅くなっている場合もありますが、想定速度より遅くなる状態は月でもあり得ます。

 

厳しい条件ですが、ここで工夫したことは日々の通信状態の改善に生かせるのでは? と期待してしまいますよね。たとえば、回線が混みあう時間帯にもストレスなく動画が見られるようになるとか。

SORATOの経験がテレイグジスタンスに生きる?

また近い将来、月基地を建設する際、人間の建設作業員が大量に月に滞在して工事をするわけにはいかないでしょう。そのときには、テレイグジスタンスのような技術が使われるのではないでしょうか。
テレイグジスタンスとは、マスター・スレーヴ方式で離れたところにあるロボットを操作する技術なのですが、ロボットの触った感覚がオペレーター側に戻ってくるというものです。まるで自分がその場にいるような感覚で遠く離れたロボットを操作できるので、細かな作業も可能とされています。

TELESAR V

TELESAR V(テレサ ファイブ)。テレイグジスタンスでTELESAR Vが触った感触がオペレーター側に伝わります。(CEATECのauブースにて。筆者撮影)

 

テレイグジスタンスの繊細な感触をやりとりするには5G(第5世代)の通信が必要とされています。5Gの通信速度は20Gbpsです。月と地上をこの品質で結べるようになるのはいつになるかわかりませんが、実際に月でSORATOを動かした結果、宇宙での通信の問題点が洗い出され、案外近い将来に実現するかもしれませんね。

 

もちろんチームHAKUTOが優勝したら万々歳ですけれども、そうでなくても自分たちの力で月に行ってみた経験は、地上のシミュレーションでは得られない貴重な経験になるのではないかなぁ、と期待しています。

 

ソース・画像:Google Lunar X PrizeチームHAKUTO朝日新聞au

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