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抱腹絶倒! 神戸ヘボコンに行ってきた!

2017.10.13  | 
WRITER:
工樂真澄
 

親愛なるロボットノート読者の皆さん、「ヘボコン」ってご存じですか? 2014年に「デイリーポータルZ」の石川大樹さんが企画、開催した第1回ヘボコン世界大会は、その年の「文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品」に選ばれました。今回「神戸ヘボコン」を主催した「チームタナゴ」の田名後さんは、その世界大会で準優勝に輝いたスゴイ実力の持ち主です。

「ヘボコン」とは「ヘボいロボットコンテスト」のことです。優秀な技術者やロボット開発者ではなく、まったくの素人が作ったロボットだけで戦う相撲大会です。「低い技術力しか持たない人でも表彰台に立てる」という、おそらく世界で唯一のロボットコンテストです。

 

家族ユニット「チームタナゴ」のタナゴ2号こと田名後さん。息子のいちよし君は「タナゴいち号」

遊びだからこそ真剣に。真剣だからこそ笑える。

まずは、神戸ヘボコン名物MCの「はじんさん」  の実況とともに、こちらの試合をお楽しみください。「空海マスター」が操る「ガラクタンク」と、「はじめ」くん率いる「バルーンファイト」の一戦 です。

場の空気を読んで、試合開始直前につまようじを装着したガラクタンクでしたが、作戦は空振りに終わり、「はじめ」くん自らがバルーンを破裂させ、紙ふぶきを散らすという展開に。この試合、互いのリモコンのコードが絡み合ったまま時間切れとなり、移動距離による判定で「はじめ」くんの勝利となりました。

そもそも、ヘボいロボット同士では試合自体が成立しないことが多々あります。その不完全さから生み出されるハプニングこそが、ヘボコンの魅力なのです。

ヘボコンには数々のルールがあり、たとえばハイテクノロジーを駆使した場合にはペナルティーが課せられます。ただし、敵を自動追尾するはずが、その場でグルグル回ってしまうなどの失敗は「ヘボい」と認められ、減点対象にはなりません。どのロボットも勝つことへのこだわりは強く、時に素晴らしい名勝負を見せてくれます。次にお見せするのは、ディフェンディング・チャンピオン「ぼん」さん率いる「ドクターイエロー」と、一見コワモテ、でも実は子煩悩な「バットダディ」の操作する「バットダディモービル」の一戦です。

どうですこの粘り! 100円ショップで揃えた材料から即席で作ったとは思えない安定感で、「ドクターイエロー」は今年も向かうところ敵なしです。そんな横綱「ドクターイエロー」を倒すべく登場したのが「おさロボンドーザー」です。操るのは、前回惜しくも1回戦で敗退したため、今大会に並々ならぬ闘志を燃やす「だーさんハカセ」です。『ぶっ潰してやる!』の決めポーズとともに、いたいけな子どものロボットも、大人のささやかな夢を詰め込んだロボットも、有無を言わさず蹴散らして、あれよあれよと決勝戦まで勝ち上がってきました。

「だーさんハカセ」の決めポーズ『ぶっ潰してやる!』

しかし、決勝戦を迎えた「おさロボンドーザー」は、すでに原形をとどめていません。ヘボコンでは勝者が敗者の『意思を引き継ぐ』という厳かなルールがあり、負けた者は勝ったロボットにパーツを託す、言い変えれば「押しつける」という習わしがあるためです。

それではいざ、決勝です!

結果は、見事「ハカセ」が優勝しました! ハカセいわくヘボコンで大切なのは「ストーリー」だそうで、ロボットが背負う「宿命」こそが強さの原動力になるのだとか。ロボット製作わずか1日、でも衣装には1週間をかけたハカセだからこそ言える金言です。

最ヘボ賞こそが真の勝利者

しかし、ヘボコンで最も栄えある賞は、実は優勝ではありません。全員の投票で決定される「最ヘボ賞」こそが、真のヘボコン勇者なのです。そして今回、見事に最ヘボ賞に輝いたのが「サルヴァトーレ=ダリ・ノガレ=アケミ」さん製作の「ティファニーでお夜食を」です。

天才と狂喜の狭間で生み出された素晴らしい芸術作品ですが、いかんせん自立できないところが「ヘボい」……そのヘボさゆえにダントツの最ヘボ賞でした!

見事、表彰台に上がった皆さん、おめでとうございます!

ロボットを通じて世界に広がる笑顔

「いい大人がガラクタ集めて、動かないロボット作ってどうするの」と思ってしまった方は、残念ながらヘボコンの真髄をまだ理解していません。ヘボコンの会場は終始、暖かい笑いで満ちあふれていますこれは他のロボットコンテストではなかなか見られない光景でしょう。ヘボコンの笑いの精神は人種も国境も言葉の壁も飛び越えて、今や世界25カ国以上にまで広がりつつあります。

ロボットというと「いかに人の役に立つか」という側面が強調され、効率や合理性ばかりが求められがちです。でも、ロボットを通してお腹を抱えて笑ったり、知らない人と意気統合したりできるのだとしたら、これこそまさに乾いた現代人の心を癒す「究極のロボットコンテスト」なのではないでしょうか。ヘボコンは、無邪気な心とロボットへの熱い情熱さえあれば、どなたでも参戦することができます。「我こそは!」と、思ったアナタ。ぜひ、こちらをチェックしてみてくださいね。

 

取材協力:チームタナゴ

フードバー&エンターテイメントスペース「アゲハベース

 

 

 

 

 

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