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今あなたが着ているもの「Made by ロボット」じゃないですか?

2017.05.17  | 
WRITER:
工樂真澄
 

柔らかい布は扱いにくい? じゃあ、固めよう!

今回ご紹介するソーイングロボットを開発したのは、ひとりのウェブ開発者です。彼はある日、水に溶けるプラスチックというものがあることを知りました。「この水溶性プラスチックをうまく利用すれば、ロボットに服を作らせることができるのではないか」。彼のアイデアによって、ソーイングロボット「Sewbo」が誕生しました。

服地は柔らかく形が安定しないため、パーツ同士を持ち上げたり、ぴったり縫い合わせたりすることは、ロボットにとって簡単なことではありません。そのためオートメーション化が進むアパレル業界にあっても、縫製は人の手で行うことがほとんどです。しかし、もし布が金属の板のように硬いとしたらどうでしょう。ロボットでもずいぶん扱いやすくなりますね。それならば、布を固めてしまえばいいのです。

水溶性プラスチックを溶かした液に生地を浸すと、ご覧のようにペラペラの生地も硬くなります。板状の布を順番に縫い合わせて、まず鎧(よろい)のようなシャツを作ります。もちろんこのままでは着ることはできませんが、バリバリに硬いシャツをお湯に浸せば、あら不思議。プラスチックの液がきれいに洗い流されて、柔らかいシャツの完成です。

アパレル産業を大きく変える可能性

素材選びから始まり、布地作り、デザイン、パターンメーキング、裁断、縫製にいたるまで、一着の洋服が出来るには多くの工程が含まれます。このうちオートメーション化が可能なのは、製織や裁断など一部だけです。人の手がかかる縫製は人件費の安い国で行うことも多く、それらの国にとっては重要な産業でもあります。しかし、遠い国へ材料を運ぶには、かなりの輸送費がかかります。もちろん日数もかかりますから、待機に必要な倉庫の賃料なども決して安くはないでしょう。もし将来的にソーイングロボットが実現すれば、布地作りから縫製までを一つの工場で一貫して行うことが可能になり、洋服作りにかかるコストは大幅に減ると予想できます。

 ロボットの登場で変化する職種

Universal Robot社が手がけるSewboのお値段は35,000USドル。今のところTシャツのような単純な洋服しかできないため高く感じますが、素材の改良やデザインを工夫することで、将来的には多様な洋服を作り出すことができると期待されます。しかし、縫製ロボットが進化する裏で、安い人件費を売りにして縫製を担っていた国々の経済を、大きく変えてしまうことも懸念されます。このようなケースはアパレルの分野だけではないでしょう。ロボット時代に人が就くのにふさわしい職とはどのようなものか、社会全体が今から考えておく必要があるでしょう。

 

ソース・画像 MIT Technology reviewSewbo

 

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