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やわらかボディの「マンタロボット」は海のスパイ!

2017.05.12  | 
WRITER:
工樂真澄
 

ボディだけじゃない! ぜんぶやわらか「ソフトロボット」

今回ご紹介する「マンタロボット」は、中国の浙江大学の研究グループによって開発されました。まずは、その映像を見ていただきましょう。

どうですか、このなめらかな動き! 全長22センチメートルでなんと90グラムという軽量なボディ。本体はおもに透明なシリコーンでできており、優雅に水中を泳ぐ姿が従来のロボットのイメージを覆してくれます。「こんなオモチャどこにでもありそう」などと言ってはいけません。マンタロボットはボディだけでなく、アクチュエーターもすべてソフト素材から出来ています。これを可能にしているのが「誘導性エラストマー」とよばれる弾性物質。この物質の特性をいかして、モーターがないにもかかわらず、毎秒6センチのスピードで泳ぎます。ボディは水温0.4度から74度まで耐えることができ、広範囲な用途に対応します。また、バッテリーは約3時間連続稼働でき、ビデオカメラを搭載して遠隔操作することもできます。

ソフトボディはアクリルの型にシリコーンを流し込んで作ります。

ソフトロボットの需要は?

マンタロボットの使い道はさまざまです。まず思いつくのは海の生態系や魚の生態の研究への応用です。海の生物を観察する方法としては、潜水艇を使ったり、水中カメラを魚に取り付けたりなどが考えられますが、どれも生物にとっては異物とみなされてしまい、ありのままの姿を観察する理想的な方法とは言えません。マンタロボットは柔らかく透明なことから、他の生物を傷つけたり怖がらせたりすることもなく、魚たちの日常をこっそりと覗き見るには最適なのです。

 

その他、遠隔操作で難破船を探ったり、海底資源の調査を行ったりすることも期待されています。海にはまだまだ多くの資源が眠っていると考えられ、海底の調査方法はこれからの重要な課題です。ソフトボディをもつマンタロボットならば、人がアクセスしにくい深海でも、生物の生活圏を荒らすことなく調査をすることができるでしょう。

時代は「硬」から「柔」へ

昔の子供向けロボットと言えば鉄人28号を筆頭に、一世を風靡した超合金ロボなど、硬くて丈夫なロボットがほとんどでした。「超合金」はどんなに戦ってもこわれない強いロボットの代名詞として、子どもたちを夢中にさせたものです。しかし、ロボットも時代とともに移り変わり、最近は生物のような柔軟性が求められるようになってきました。進化したソフトロボットの活躍の場は、今後ますます広がることでしょう。

 

ソース・画像 「Fast-moving soft electronic fish.」 Tiefeng Li, et al. Science Advances. 05 Apr 2017:Vol. 3, no. 4, e1602045

New Scientist

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