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危険な所見をいち早く発見! 脳震盪診断ロボットが登場

2017.04.18  | 
WRITER:
あずさゆみ
 

アメリカの高校や大学の花形スポーツといえば、アメリカン・フットボール。相手陣地を攻略する戦術と格闘技張りのぶつかりあいは見るものを夢中にさせますが、大怪我の危険をはらんだスポーツでもあります。なかでも注意すべきは、深刻な後遺症を抱えかねない脳震盪です。重大なダメージを回避するため、すばやく脳震盪の診断をつける遠隔診断ロボットを、テキサス大学が開発しました。

脳震盪を診断できる医師は、絶対的に不足している

どんな辺鄙な田舎町でもアメリカン・フットボールの試合はおこなわれていますが、頭部外傷の診断ができる医師は、どこにでもいるわけではありません。
あるデータによると、全米の公立高校の63パーセントには、試合中に起こった脳震盪の診断ができる常勤のトレーナーがいないそうです。そして、レクリエーションやスポーツで脳震盪を起こす人は、全米で年に380万人にのぼるのだとか。

脳震盪は、たとえ軽度であってもしばらくはめまいや頭痛が残ります。また、後遺症が治まらないうちに新たな衝撃が加わることは大変危険で、絶対に避けなくてはなりません。脳震盪を繰り返すと、症状や治療期間が長引くばかりか重大な脳の損傷につながることがあるので、注意が必要なんですね。繰り返し脳震盪を起こしたNFLの選手が長くつづく後遺症に苦しんでいるという事実もあり、脳震盪の兆候を見落とさない体制を整えるべき、という論調が高まっているんです。

フィールド横で、すばやく診断

テキサス大学南西医療センターが開発した遠隔診断ロボットは、サイドラインを自走して、フィールドの様子を遠くの医師に中継します。

ステレオで双方向のコミュニケーションが可能。診断する側は、このようにモニタするようです。

こんな小さなモニタで正確な診断ができるものなのか……と思いましたが、2シーズンにわたる実験の結果、フィールドに待機している医師と遜色ない精度で脳震盪の診断ができたとのこと。専門家といかにつなぐかが、もっとも大切なことなのですね。

患者を遠隔地の医師とつなぐロボットといえば、手術支援ロボットのダ・ヴィンチが思いうかびます。ダ・ヴィンチは元々、戦場で傷ついた兵士をアメリカ本土の医師が治療するために開発されましたが、タイムラグの問題があって手術室での使用という形に落ち着きました。
実際に処置するとなると遅延のリスクがありますが、診断を下すだけならテレプレゼンス・ロボットで充分なんですね。このロボットが普及することで、専門医がいない小さな田舎町でも脳震盪の診断がすばやくつけられ、後遺症に苦しむ子どもがいなくなるといいですね。

 

《画像ソース》
テキサス大学南西医療センター

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