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これぞ究極のツリーハウス? ロボット植物で家を「生やす」研究

2017.04.12  | 
WRITER:
あずさゆみ
 

その国の風土に適応するように発達してきた住居。雨の多い日本では、調湿機能にすぐれた木造の住宅が多く造られてきました。住宅に使われている木材は、樹種と生育地にもよりますが、たとえば四寸柱なら100年近い時間をかけて育てられたもの。日本の気候に合うのは、やはり日本の山で育った樹です。なかなか難しいことではありますが、住宅も地産地消が理想でしょう。
建材になる樹は、余計な節を作らないよう、まっすぐに育てられますね。まっすぐな材木を組んで作るのが、日本の木造建築です。ですが、最初から家の形に植物を育てることができるとしたら、どうでしょう? 育てる時間はかかりますが、伐採も製材も、建築の必要もありません。しかも、育った場所がそのまま家が建つ場所ですから、文句なしの地産地消です。今回はそんな、望む形状に植物を「生やし育てる」研究をご紹介します。

それは、植物とロボットのハイブリッド

この研究をおこなっているのは、ドイツ、リューベック大学のHeiko Hamann教授。EUの資金提供を受けたフローラ・ロボティカ・プロジェクトのコーディネータです。
フローラ・ロボティカは、樹脂製の足場やセンサ、ライトなどで構成されたロボット植物と生きた植物を共生させ、望んだ形状に成長させるプロジェクト。ベースとなるのはロボット植物の一部である白い樹脂製の足場で、植物は足場に支えられて育っていきます。

この足場の組み方(編み方)も、さまざまに工夫されています。光を内部まで届けたい場所では緩く、しっかりと強度を持たせたい部位はきつく編まれて、センサーやライトを保持するために使われます。

そして、植物が充分な強度を得て自立できるようになると、足場はバラバラに解体されるとのこと。センサやライトは、今度は植物が保持することになります。そして最終的にできるのは、植物の構造物なんですね。

白い足場の内部には、黒い樹脂製のパーツが組みこまれています。パーツには青や赤のLEDライトが取りつけられていて、植物の生育をコントロールする仕組みです。

植物が青い光を目指して伸びていく様子が、上の動画でご覧いただけます。

人とコミュニケーションを取りながら成長

植物とロボットのハイブリッドは、たとえばもっと水が必要であるという要求を、人に伝えることができます。また、ハイブリッド同士もネットでつながり、共存関係を築いています。植物がそれぞれの状態を共有し、人とコミュニケーションを取りながら庭や構造物を作っていくというソーシャルガーデンという発想は、SFの世界のようです。

まとめ

家をまるごと育てるフローラ・ロボティカの方式なら、職人が木を組む必要もなく、充分な強度を持つ住宅が建てられるでしょうか。この方法で一軒家ができるには40年ほどかかる計算なので、定年後の楽しみに家を育てるというのもいいかもしれませんね。自分で育てなくても、半世紀先には建て売りならぬ「育て売り」住宅が現われるかもしれません。
ただ、一部が傷んだり、間取りを変えたいときは、どうするのでしょう? また、人が住むためには成長を止めたあとで乾燥させる必要があり、それにともなう歪みやクラックの発生にも対処する必要があるでしょう。
ですが、大きな建物は難しくても、たとえばベンチや物置、小さなツリーハウスを生やすのであれば、そんなに時間はかかりませんし、充分に実現できそうです。

 

庭先でツリーハウスを育てる。なんだか楽しそうですね。

 

《画像ソース》

フローラ・ロボティカ

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