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豪快! 繊細! イチゴ摘みロボットが続々登場

2017.04.11  | 
WRITER:
irbis
 

皆さん、イチゴ摘みをしたことがありますか?

あれ、つらいですよね。イチゴの葉をかき分けて隠れた赤く熟した実を探してもぎ取る……だけなんですが、畝が低いとしゃがんで腰を屈めないと取れません。ひとつの株のイチゴを摘みおわったら、隣の株へ。それが終わったらまた次の株へ。しゃがんで摘めば、一日中畑の中でウサギ跳びかヒンズースクワットをしているようなものです。かといって腰を曲げて摘んでいたのでは、腰が痛くてしかたありません。

 

このような重労働では、よほど時給が高くなければアルバイトも集まりませんよね。他の要因もあるのでしょうけれど、日本ではイチゴの作付面積も収穫量も年々減っています。

イチゴ作付面積の推移

1973年~2011年のイチゴ作付面積の推移 総務省統計局 主要野菜(全国)の作付面積、収穫量及び出荷量累年統計(昭和48~)より作成 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001014186

人件費の高い地域では、どこでも人手を集めるのに苦労しているようで、イチゴ摘みロボットの登場が待ち望まれています。

AGROBOT SW6010(スペイン)

スペインの企業AGROBOTSW6010です。

AGROBOT SW6010

縦に伸びた棒がピストンのように豪快に動いています。これで下にある小さなショベルのような器を上げ下げし、下からざっくざっくと刈っていきます。最終的には人間がパックに並べていますが、座ったままでいいのですから、かなり楽になりますね。

SW6010で摘み取れるのは、熟したイチゴの60~80%ほど。画像処理で赤く熟した果実か、まだ青い未熟の果実かをみわけています。

AGROBOT SW6010

AGROBOT SW6010

SW6010が動き回るイチゴ畑は、水耕栽培システムAGSHydroです。この畝状の棚に水や養分が流れるパイプが通っています。ロボット化に対応したシステムですが、しゃがみ込んで摘むのが作業の一番辛いところなので、人間が摘む場合でも随分能率が上がりそうです。日本のハウスイチゴも、今では地面の高さではなく摘み取りやすい高さの棚に植えられた水耕栽培になっている所が多いですよね。

 

これでも相当楽になっていると思うのですが、日本のイチゴ摘みロボットは全自動で、夜のうちにパック詰めまでしてくれるそうです。

イチゴ収穫ロボット(日本)

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター(農研機構)とエスアイ精工(現・シブヤ精機(株))が共同開発した「イチゴ収穫ロボット」は、マニピュレータで果実の柄をつかみ、切断する方式です。果実を傷つけないように、果実の部分に直接触れずに済むように工夫されています。

農研機構 いちご収穫ロボット

このロボットは、パッケージまでできるので、夜に収穫を任せておけば、朝には出荷できる状態になっています。熟した果実の60~65パーセントを収穫でき、現在は実証実験中だそうです。

Octinion STRAWBERRY PICKER(ベルギー)

こちらは、ベルギーの企業、Octinionストロベリーピッカーです。2017年初めに発表されました。

Octinion STRAWBERRY PICKER

果実を柔らかなトング状の指でつまみ、横にひねってもぎ取ります。
その後は、果実を入れるパッケージにごろんと入れています。ベルギーでは、日本のようにきれいに並べるのではなく、他のベリー類と同じようにごろごろパックに入れた状態で市場に出回るそうです。そのため、柄で切断する日本の方式では具合が悪いのです。柄が残っていると、他のイチゴに刺さって傷めてしまうからです。

 

横にひねってもぎ取る方法は、人間の動きをまねています。こうすると、果実を傷めずに収穫できるそうです。
ストロベリーピッカーは、3秒に1個のペースでイチゴを摘み取ります。自律型自走プラットフォームDRIBBLEの上に搭載され、イチゴ畑を回ります。

 

その他にも、アメリカのDogtooth Technologiesがイチゴ摘みロボットを開発しています。2018年に商業利用可能になり、2020年までに広く利用されるようになるだろうと、Dogtooth Technologiesは予想しています。

Dogtooth Technologies

Dogtooth Technologiesのサイトより。

 

摘み方にも地域性がある

国によっていろいろな方式があっておもしろいですね。「イチゴを摘む」という動作ひとつをとっても、その前のイチゴ畑の作り方や摘んだ後の市場への出し方と無関係ではありません。ロボットの技術が優れていても、全体の流れの中に組み込めないと使いにくいですよね。
日本でも、イチゴ農家が今後、安く人手を確保できるようにはなりそうもありません。イチゴ摘みロボットが田植え機並みに普及する日は、すぐそこまで来ているのかもしれません。

 

ソース、画像:AGROBOT農林水産省農研機構OctinionDogtooth Technologies

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