ゴミ箱?? いいえ、リアルロボコップです!
2017.03.17 |- WRITER:
- 工樂真澄
中国の高速鉄道駅に突如お目見えしたこちらの物体。一見、スタイリッシュなゴミ箱かと思いきや、善良な市民の皆さんを守るパトロールロボットです。
河南省にある鄭州東駅は、国内最大級の鉄道の拠点。毎日多くの人が行き交う場所だけに、警察のパトロールにも力が入ります。そんな警察の強い味方として、今年導入されたのがこちらのロボット。中国人民解放軍国防科学技術大学と軍事ロボット企業によって、開発されました。
見た目以上のスゴイやつ
このロボットに先駆けて、昨年9月には深圳(しんせん)宝安国際空港に警備用ロボット「アンボット(AnBot)」が配属されています(https://www.youtube.com/watch?v=pFPwrC6Mba8)。今回ご紹介するロボットは、空港アンボットに比べると少し垢抜けた感はあるものの、身長149センチメートル、体重78キログラムのずんぐりむっくりしたかわいい外形で、鉄道を利用する市民からも好評のようです。空港アンボットと同様、自律的に移動し、顔認証システムを備えており、犯罪者データベースと照らし合わせて人ごみから容疑者を見つけ出すこともできるのだとか。ちなみに空港アンボットのほうはスタンガンを備えており、時速18キロで空港内を走り抜け、敵に一撃を与えることも可能です。ただし、人間が指示しない限り、自らの判断で敵を襲うことはありません。あくまでも今のところですが。。。
「この体型で悪人を追っかけるの?」と、思われた方もおられるでしょう。ご懸念のとおり、せっかくの顔認証システムで悪人を見つけ出しても、狭い通路に逃げ込まれたり、階段を駆け上がられたりでもしたら、まさに手も足も出ないでしょう。現在のところロボコップしての任務を果たすというよりは、パトロールという「抑止力」で、犯罪防止に努めるという意味合いが強いといえます。また鉄道駅のロボットということで、鉄道情報の提供や道案内、火災などの検知に一役買うことも期待されているそうです。
ロボコップは人間の監視下で
無差別殺人やテロなどの凶悪犯罪が頻発する昨今、警察官や兵隊さんなど、市民を守る方々の命が犠牲になったというニュースを聞くたびに胸が痛みます。そもそもロボットとは、人の力が及ばないことや、人には危険すぎることを行うために作られたのではないでしょうか。そういう意味でも、悪と戦う最前線にロボットが力を発揮する機会はこれからも増えることでしょう。ただし、映画のようにロボットが自らの判断で暴走することのないように、人のコントロールが効く範囲での話ですが。
ソース・画像:Mysterious Universe、New China TV