RN 006203

水陸両用うみへびロボ! 生物模倣の近未来感がスゴイ

2017.03.09  | 
WRITER:
Guinean
 

大学発ベンチャー企業のウミヘビロボ「ACM-R5」

2015国際ロボット展で、まるでCGのような優雅さで水中を自由に泳ぎまわるヘビ型ロボットが注目をあつめました。2006年にグッドデザイン賞を受賞した、東京工業大学の水陸両用ヘビ型ロボットACM-R5です。

株式会社ハイボット公式|プロダクト・ACM-R5

ACM-R5はCPU・バッテリー・モーターを備えた胴体モジュールを複数つなげた機構で、節ごとにヘビの腹を模したジャバラで密閉することで、高い防塵・防水性能を実現しています。さらに胴体部分それぞれにコントローラーを搭載することによって、柔軟で自律した動きを実現しています。

このロボットが水陸で前進していくしくみは、蛇の体をくねらせる曲線パターンを数値化してコントローラーに指示を出し、各胴体モジュール同士が信号をやり取りしてそれぞれ適した動きをすることで前に進むというものだそうです。

まだ実用化はされておらず、未来型ロボットとしてイベントの展示用に提供されていますが、原発事故現場や海底探査など危険な場所での活用が期待されており、実際にレスキューロボットも開発中です。

40年も前にヘビの観察から始まった研究

開発者は、東京工業大学の広瀬茂男教授です。教授は現在、東工大発のベンチャー企業である株式会社ハイボットで配管・高圧電線点検や災害現場で使用される産業用ロボットなどを提供しながら、この研究を続けておられます。

広瀬教授がヘビ型ロボットの第一人者となったのは、1970年代のことでした。柔らかいロボットをつくることができれば災害救助や配管点検などに役立つという考えから、蛇をモチーフとしたロボットの開発に取りくみはじめたのだとか。

当時、足のない蛇がなぜあのように早くしなやかに動けるのかを研究している人はおらず、教授自身が蛇を観察することからスタートしたそうです。それから40年以上経った現在、広瀬教授の先見性あふれる研究は大震災を経験した国内はもちろん、海外からも熱い視線をあつめています。

次世代ロボのヒントになるバイオミメティクス(生物模倣)

広瀬教授が取りくんだ、自然界の生物がもつ性質から学び、新たな材料や製品の開発に生かそうとする生物模倣(バイオミメティクス)と呼ばれる分野は、すでに古くから成果をあげています。

身近な例では衣服のマジックテープがあげられます。これは野生ゴボウの実(ひっつきむし)が自然に衣服にくっつく性質があることをヒントにしてつくられました。

また光を反射しないモスアイ・フィルムは、その名のとおり蛾の目の構造を模倣した、テレビやPCの移り込みを少なくする無反射フィルムです。最近では、太陽光発電板の反射を減らして発電効率を上げることも、期待されています。

ACM-R5のように直接ロボットとして応用されることもありますが、複数のバイオミメティクスが組み合わさって、それまで不可能と考えられてきた新たなテクノロジーが誕生する可能性を秘めてもいるのです。

環境適応する生物の生命力がロボット開発のアイデアに

自然の生き物が長い時間をかけて環境に適応していく姿は静かで地味ですが、改めて見てみるとまだ解明されていないことも多く、ロボット開発においてもアイデアの宝庫といえます。

広瀬教授のヘビ型ロボット以外でも、クモやトンボ、ハチドリやタコなど生物を模した技術やロボットが続々と誕生しています。

普段歩いているいつもの道でも、少し気を付けてみると、未来を一変させるような素晴らしいアイデアを見つけることができるかもしれませんね。

 

 

thank you

この記事に関連するタグ

広告主募集
上に戻る