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宇宙開発ロボットの理想形とは? NASAが考える「ヒトが動かす自律型ロボット」

2017.03.08  | 
WRITER:
工樂真澄
 

人類初の月面探査レース「Google Luner XPRIZE」の最終フェーズに、日本から参戦している「HAKUTO」を含めた5チームが進出することが、先日発表されました。このレースで与えられたミッションは、無人探査機を月面着陸させ、付近を探索して得た画像や動画を地球に送信するというものです。この困難なミッションをクリアするだけでも相当なものですが、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、さらに先の未来を見据えているようです。

ヒトとロボット、それぞれの長所を生かすのが理想

NASAの研究機関であるエイムズ研究センターが先ごろ公開したビデオによれば、彼らが理想とする宇宙開発とは下の画像のように、ヒトがロボットを操縦しながらおこなう、というものです。研究チームいわく、いくら優秀な自律型ロボットを作ったとしても、ヒトの認識力や判断力が求められる場面はたくさんあるとのこと。どんな高性能のロボットが導き出す答えよりも、ヒトのひらめきのほうが正しいこともあるでしょう。ヒトとロボットがチームを組んで、それぞれの長所を生かしながら宇宙開発を行うことが理想だ、というわけです。

 

わかりやすい例が「自動運転装置」です。自動運転といっても、車がすべてを判断するわけではありませんよね。目的地の設定はもちろんのこと、急な行き先の変更など、ヒトが主導しなければならないことはたくさんあります。NASAは宇宙ロボットの開発で得たノウハウを生かして、日産とともに自動運転装置の開発を行っています。その経験から、宇宙開発でもヒトがロボットを直接動かすことが理想だ、と考えているということです。

無人探査機の技術は自動運転装置にも生かされている

無人探査機開発の末に見えたもの

もちろん、ヒトが乗り込む宇宙ロボットは、今のところ現実的ではありません。NASAは宇宙の情報を得ることを目的に、K10やSPHERESなどの無人探査機を開発してきました。探査機がとらえた情報は、VERVE(Visual Environment for Remote Virtual Exploration)とよばれるシステムによって3次元的に再現され、地球からでも手にとるように状況がわかります。また、地球から200マイル(約320キロメートル)上空に浮かぶ国際宇宙ステーションから、地球上の無人探査機を遠隔操作することにも成功しています。ただし、情報の送受信には時間がかかるため、直接動かしているような感覚で操作することはできません。タイムラグのないスムーズな操縦を行うためには、やはりヒトが宇宙に飛び出ていくしかないでしょう。

 

「そんな先のことまで考えなくても」と思われるかもしれませんが、時代はもうそこまできているのです。今年後半には、HAKUTOの月面探査機「SORATO(ソラト)」が打ち上げられる予定です。またつい先日、アメリカの宇宙開発企業である「スペースX」が、来年にも月旅行を実施することを発表しました。人類が月と地球を自由に行き来する日は、遠からずやってきます。まずは月面が対象になることでしょうが、宇宙開発はもう現実の課題として語られはじめているのです。

 

ソース・画像:https://www.youtube.com/watch?v=P9zmerD04Hk

 

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