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ムンバイの大学チームが約130ドルのバイオニックアームを開発

2017.03.04  | 
WRITER:
水谷圭佑
 

 

2017年2月下旬、インドのムンバイの大学『S. P. Jain Institute of Management and Research(以下SPJIMR)』のチームが従来の22分の1の価格で製造可能な筋電義手を開発しました。この義手は本物の腕と同様の動きが可能でありながら、わずか130ドルで作ることができるとのことです。

SPJIMRが発表したプロトタイプ。肘から先のモデル。

 

失われた体の一部を人工物で補う、いわゆる義肢は古くから存在しています。これまで、動かすことができるタイプの義手は反対側の腕や顎を使って稼働させるしくみで、動きがぎこちなく、使うのも大変でした。

しかし、近年は電子技術やロボット工学、外科技術の発達によってめざましい進歩を遂げ、本物と同様の動きが出来る高性能義手が開発されています。
脳が発する神経信号を読み取って本物の手足同様に動かすことができる義肢は、『筋電義肢(Bionic Arm/Leg』と呼ばれています。思いのままに動かせる機械ならば、『見た目』だけではなく『機能』も取り戻すことができます。

動画の男性の筋電義手は靴ひもを結ぶ、犬のリードを付ける、庭仕事をするなど、日常的な動きを完ぺきにこなしています。

しかし、こうした高性能な義肢を使用する上で問題となるのが『価格』です。義肢は使用者の体格に合わせて作らなくてはいけないので、高性能な筋電義肢の場合、一般的には110~150万円以上の費用がかかります。

安い筋電義手を作るための試み

 

3Dプリンタは義肢の世界にも革命をもたらしました

 

2015年に日本のExiiiが発表した最新型の筋電義手『HACKberry』は、3Dプリンタで部品を製造することで、20万円程度にまで引きさげることに成功しました。設計データはオープンソースとされ、誰でも使えるようにされているので、普及と改良が重ねられればもっと安くなることが期待されています。

これで先進国途上国の人にとってもかなり手に入れやすい物になりましたが、少々高い買い物であることは変わりません。

SPJIMRによるコスト引き下げの試み

高価さが筋電義肢の普及の妨げになっているなか、SPJIMRの義手は従来の22分の1のコストで製造が可能となっています。
コスト引き下げのポイントの一つは3Dプリンタの使用です。HACKberryの例でもわかるように、3Dプリンタならば使用者一人一人に合わせた部品の製造を簡単に低コストで行えます。
もう一つの工夫がモーターの数の削減です。普通の筋電義肢では指の関節それぞれにモーターを備えていますが、SPIJMRの義手では指一つにつき一個のモーターで動きを制御する方法を採用することで、コストを40%削減することに成功しています。

 

また、筋電義肢の一部は脳の電気信号を検出するために、センサーをインプラントしたり、神経を筋肉につなげて皮膚表面に信号を誘導する手術をしたりする必要がありました。

SPIJMRの義肢ではセンサーシステムを外付けにすることで、手術費用も削減しています。必要なセンサーはストラップで体にぶら下げたり、バッグに入れたりして持ち運ぶスタイルになるそうです。

 

この研究は2月下旬にタイのバンコクで開催されたビジネスチャレンジの最終コンペにおいて、同じSPJIMRの別チームと共に表彰されました。
将来的には、義肢はもっと安く、もっと高性能な物になるとともに、必ずしも特別な設備や手順を踏まなくても使用できるようになることでしょう。ハンデを負った人が何の障害もなく日常生活が送れる社会は間近になっています。

 

ソース・画像:The Indian ExpressExiii

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