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原子力事故に挑む! 最新ガンマ線源探査ロボット「RTC-08」

2017.01.18  | 
WRITER:
irbis
 

チェルノブイリ原子力発電所事故から30年となった2016年。老朽化した4号炉の石棺に、巨大な被い「新石棺」がかぶせられました。日本でも報道されたので、ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。とてつもない大きさの「新石棺」がゆっくり移動する様子は、日々の感覚からかけ離れた光景でした。

コンパクトなロボットシステムRTC-08

ロシアでは、原子力発電所や化学工場の事故現場のような、人間が近づけない場所で作業できるロボットがいくつか開発されています。その中でも最新のロボットは、ロボット・サイバネティクス技術中央科学研究所TsNII RTK)が開発製造した「軽量級ロボット技術コンプレックス」RTC-08です。今年、ロシア非常事態省に納入される予定だそうです。

RTC-08

RTS-RRとRTS-TO

ロシアというと、重厚長大な機械や設備が得意というイメージがあります。RTC-08は「軽量級」と冠しているだけあって、このコンプレックスを構成している2機の無人地上車両(UGV)は比較的小型のローバーです。

 

そのひとつは、ガンマ線の発生源を特定する探査車RTS-RRです。全長1410mm、幅650mm、高さ1200mm、総重量270kg。六つの関節を持つマニピュレータで10kgの物を持ち上げることができます。
自律型ですが、無線や有線でも操作できます。非常事態省バージョンでは、コントロール用ケーブルを使ってバッテリー残量ゼロの状態でも動かすことができるそうです。また、マニピュレータとローバー本体にカメラが備え付けられており、その画像はリアルタイムで携帯型コントロールパネルに送られます。

 

もうひとつのローバー、ガンマ線放射線源探査装置を搭載していない技術作業車RTS-TOは、更にコンパクトで全長650mm、全幅430mm、高さ400mm、総重量30kg。四つの関節を持つマニピュレータは5kgの荷物を持ち上げることができます。

RTS-TO

RTS-TO

『イズベスチヤ』紙は、RTC-08システムの中でも、6輪で頑丈そうなRTS-RRを中心に取り上げていました。しかし、半分以下の大きさの技術作業車RTS-TOにも注目したいところです。
爆発事故などで通路が塞がれている状況では、小回りのきく小型軽量ローバーの方が奥まで入っていけそうです。小さい分、マニピュレータのパワーも弱いですが、自重はRTS-RRの9分の1でありながら、持ち上げられる重量は2分の1というのは、なかなかの力持ちだと思います。

 

そして、これら装備一式を乗せ現場に運ぶのが、メルセデス・ベンツ VARIO 815Dをベースにした専用サポート車です。

RTC-08 の専用サポート社

メルセデス・ベンツ VARIO 815Dのサポート車

メルセデス・ベンツのサポート車といえば、特撮ファンなら『仮面ライダーアギト』で登場したGトレーラーが思い浮かぶかもしれませんね。『アギト』では、今やうどん県副知事として有名な要潤が、G3というパワードスーツを装着して活躍しました。Gトレーラーは、このG3システム一式を搭載すると同時に、指揮車としての機能も持っていた車両です。
特撮ヒーローのように、この車がロボットを載せて緊迫した現場に駆けつけてくれるのだろうと想像すると、実に頼もしい限りです。

ロボット分野でも日ロの交流を

強烈な放射線にさらされると、精密機器は壊れてしまうことがあります。チェルノブイリ原発事故処理でこうしたことを経験してきたロシアの専門家は、この経験を福島第一原発事故で生かせなかったことを残念だと考えています。
安倍首相は、今後日ロの経済交流を進めると言っていますが、ロボット技術分野でも交流が進めば、今まで解決が困難だと思われてきた問題にも解決策が見えてくるかもしれません。

 

ソース・画像:『イズベスチヤ』紙、ロシア国立科学センター『TsNII RTK

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