RN 004130

シンガポールで空中回廊が現実に! エアバスがドローン宅配に挑む

2016.12.26  | 
WRITER:
irbis
 

今年(2016年)、国家戦略特区である千葉市幕張新都心で小型の無人航空機(UAV、ドローン)による宅配の実証実験が行われ、大きな話題になりました。
ですが、千葉市のサイトを見ても具体的にどのようなシステムになるのかはわかりません。
そこで、千葉市と同様の港湾都市であり、やはりドローン宅配の実証実験を行おうとしているシンガポールの状況を調べてみました。

「スカイウェイズ・プロジェクト」

2016年2月、シンガポール民間航空庁CAAS)はドローンを使った小包配達ベンチャー「スカイウェイズ・プロジェクト」の実証実験計画を発表。パートナーとなるエアバス・ヘリコプターズと、覚書を交わしました。

 

CAASのサイトには、街中でドローンが飛ぶ時に守らなければならないことが、わかりやすく示されています。そこには、ドローンは荷物を積んで飛んではならない、とあります。人口の多い大都市では下に人がいる可能性が高いので当然ですが、そんな制約があって、どうやって宅配を行うのでしょう?

ドローン飛行可能範囲

日本で都市の上空をドローンが飛ぶ場合は国土交通大臣の許可が必要です。(国土交通省サイトより)

スカイウェイズ」というのは、配送ステーションと配送ステーションを結ぶチューブ状のドローンの通り道のネットワークです。この中を荷物を持ったドローンが行き来します。まるで昔見たSFの未来都市交通のようです。

SKYWAYS

スカイウェイズ・プロジェクト概念図。(エアバス・グループのサイトより)

このドローンの通り道は、安全でセキュアな空中コリドー(回廊)」と呼ばれています。大都市上空をドローンが縦横無尽に飛びまわり、マンションの戸口まで小包を持ってくる、というイメージとはちょっと違いますね。ですがこの方式なら、頭上でドローンの衝突事故が頻発するような、恐ろしい事態は避けられます。

2段階で行われる実証実験

実証実験は二つの段階にわかれています。
第1段階では、シンガポール国立大学内に配送ステーションのネットワークを設置(上の概念図の実証実験A)。こちらは2017年半ばを予定しています。ドローンは大学内の配送ステーション間を行き来し、書類などを配送することになっています。

 

空中にドローン専用の通路を設けるという発想は、小口の荷物を何度も運ぶ配送にはぴったりに思えます。しかし、このような空中コリドーを道路と同じように街中に張り巡らせるのは現実的でないかもしれませんね。どのくらいの密度で張り巡らせると、費用対効果が最大になるのかという点も興味あるところです。

 

上記の実験結果を受けて、第2段階では広域での実験に入ります(上図の実証実験B)。

第2段階では、シンガポール湾に停泊する船舶と沿岸の配送ステーションをドローンで結びます。緊急医薬品、石油サンプル、予備の電子部品といった品物を、配送ステーションから船に運ぶことが計画されています。

日本の首都圏の場合は?

さて、千葉市の状況を見てみましょう。幕張メッセ周辺の高層ビルからは、対岸の神奈川県東京方面が目と鼻の先に見えます。直線距離はわずか30km程度。しかし、実際行くとなると、木更津まで下って東京湾アクアラインを使うか、東京湾に沿ってぐるりと大回りしなくてはいけません。

海の向こうの神奈川県

対岸の神奈川県までは直線距離は30kmほど。(筆者撮影)

海の上なら空中コリドーがなくても良さそうですし、専門書1冊、特殊なネジ1本といった近所の店では調達できない物が急に必要になったときも、ドローンならすぐ届けてくれるでしょう。シンガポールの実験がうまくいき、首都圏でもドローン宅配の導入を推進するという流れになることを期待しています。

 

ソース・画像:『Air Traffic Management』誌千葉市CAASエアバス・グループ国土交通省

thank you

この記事に関連するタグ

広告主募集
Sabeevo
上に戻る