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コミュニケーションロボット、いつ使う?

2015.12.25  | 
WRITER:
石井妙子
 

CMでおなじみPepper(ペッパー)くんに代表される、
人間とコミュニケーションをして話し相手になったり情報提供を行ったりする「コミュニケーションロボット」。
IT市場のリサーチを行うMM総研が一般消費者を対象に行った意向調査によれば、「言葉を見たり聞いたりした程度」を含め、コミュニケーションロボットの認知度は約7割にのぼる。

hi_mm02 コミュニケーションロボットの認知度(出展=MM総研)

一方で、購入意欲についての調査では「購入したくない」が85.2%と高い。これについて同社では「活用シーンや利便性が不明確でユーザーに訴求できていないことが背景にあると考えられる」と報告書にコメントしている。
たとえばPepperくんが身近にいたとして、何をしてほしいのか?
また、どんなシーンであればビジネスに活かせるだろうか?

 

 

コミュニケーションロボットの4つの特性

元ITジャーナリストの湯川鶴章氏は、コミュニケーションロボットの特性をまとめた上で、4つのビジネスチャンスを挙げている。
1.人の感情に働きかける
人を思わせる形状というだけで、人間の脳はロボットに対して特別な感情を抱く。

 

2.人間の脳は(ロボットの)足りない部分を補完する
Pepperくんには顔があるが、たとえば顔が能面のようなロボットに接したとき、聞こえてくる声によってまったく違う表情に見える。そのロボットを遠隔操作している人間が好意を持っている友人なら抱きしめたくなり、嫌いな人の声がロボットから聞こえてくると、投げ捨ててしまいたくなるという。

 

3.でもやはり人間ではない
人間の脳もどこかでロボットを「人間ではない」と認識しているので、人間とは異なる対応をする。たとえば「ロボットだから嘘はつかない」と人間は勝手に思い込み、Pepperくんに褒められると多くの人がお世辞と疑わず喜ぶ。また誰か人間が遠隔操作しているとわかっていても、ロボットを通じての対話なら人見知りの人であっても緊張しないようだ。

 

4.ロボット2体と人間一人なら、人間の方が気後れする
ロボットと話が咬み合わないのであれば人間はロボットのほうに問題があると考える。ところがロボット2体の間で会話が成立していて、人間のほうが彼らの会話の内容を理解できないのであれば、人間は自分の理解能力に問題があると感じてしまうようだ。そういう感覚になると、人間のほうがロボットに歩み寄り理解しようと努めるという。

 

4つのビジネスチャンス

湯川氏は「(コミュニケーションロボットの)対話エンジンは完璧からはまだ程遠く、どこまで進化するのかも分からない。そうであるのなら、不完全を乗り越えるために何らかの工夫が必要になる」と述べている。対話エンジンの進化の段階によって必要な工夫も変わり、ビジネス化の領域も変わってくるというのだ。

先に挙げた4つの特徴を踏まえ、現時点の技術ですぐにでも実装できるコミュニケーションロボットの利用領域として、湯川氏が「有望なビジネスチャンス」としえ挙げるのが分身ロボット、カウンセリング、ペット、エロの4領域だ。

 

A.分身ロボット
1の特性から、不登校や入院中の子供が学校の授業に参加する、母親が幼児を遠隔操作であやす、など。
すでに製品化された例はこちら。
OriHime
クッション「ハグビー」

62e53de3

 

B.カウンセリング
3の特性から、人間のカウンセラーに話すよりも、ロボットに話す方が緊張しないという人がいるのかもしれない。4の特性を活かせば、人間は積極的に話を聞こうとするので、教育やカウンセリングにロボットを応用できる可能性も。

Le robot NAO, d'Aldebaran Robotics, dans la maison, et avec sa famille. Photo (c) Ed Alcock / M.Y.O.P. 27 Fevrier 2013 The robot NAO, at home with his family. NAO is produced by the French start-up Aldebaran Robotics. Photo (c) Ed Alcock / M.Y.O.P. 27 February 2013

Le robot NAO, d’Aldebaran Robotics, dans la maison, et avec sa famille.
Photo (c) Ed Alcock / M.Y.O.P. 27 Fevrier 2013
The robot NAO, at home with his family. NAO is produced by the French start-up Aldebaran Robotics.
Photo (c) Ed Alcock / M.Y.O.P. 27 February 2013

 

C.ペット以上、人間未満の存在
独居老人や独身女性の孤独を癒やす存在に(男性よりも女性のほうが、コミュニケーションロボットに対して圧倒的に好意的なのだとか)。また、高齢者向けの体操ロボットを取り入れると仲間意識が芽生え、体操を続ける人が圧倒的に多いという。

また湯川氏は、自身が感銘を受けたとして次の言葉を挙げている。「人間は気持ちが腐らなければ、どんな試練をも乗り越えて成長できる。気持ちが腐るということが最大のリスク。気持ちが腐らないように常に寄り添って存在を承認してくれるロボットがいれば、人間は誰でも成長し続け、誰でも幸せになれる」。

img_news.aspx

高齢者向けの体操を実演する人間型ロボット「たいぞう」と、体操の考案者大田仁史さん

 

D.そしてエロ
「これは王道だと思う」と湯川氏。たとえば2の特性を活かして、ロボットのオンラインキャバクラ。その他にも、いろいろ想像できるだろう。

 

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具体的なシーンをイメージすると、ロボットがいる豊かな未来が想像できる。活躍する場に合わせて機能を特化させることが大切なのかもしれない。

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