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即戦力、歩くロボット店員

2016.02.10  | 
WRITER:
石井妙子
 

ロボ店員が現れた。

「テレビ売り場はどこ?」と尋ねると、ロボット本体前面に取り付けられたタッチパネルに、液晶テレビの商品一覧が映し出される。客が気になる商品を選ぶと、ロボ店員はくるりと向きを変え、客を先導してゆっくり動き出す。前方に人が来れば立ち止まり、障害物をよけながら、目的の商品まで無事に案内してくれるのだ。

家電量販最大手のヤマダ電機が、2016年2月1日から自律走行ロボットを接客に使う実証実験を始めた。冒頭のロボットは、横浜市のヤマダ電機テックランド青葉店に現れた身長約150cmの接客ロボット「ナビー」。

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ヤマダ電機が接客のために導入した自律移動型サービスロボットNAVII(ナビー)

 

ナビーは米ベンチャー企業のフェロウロボッツが開発し、ITサービス企業の日本ユニシスがヤマダ電機向けにシステムを構築したもの。車の自動運転に使われるOSを搭載し、頭部と胴体、足元の3つのセンサーが障害物などを検知する。

店内の簡単な地図情報を入力すれば、売り場を回るうちにより正確な地図を完成させていく。誤差わずか1cmの精度を誇るというから驚きだ。

家電量販専門店での自律移動型サービスロボットの活用は、国内初の取り組み(日本ユニシスのニュースリリースより)。売り場の案内など簡単な業務はロボットに任せ、丁寧な対応が求められる商品説明に販売員が専念できるようにするのが狙いだとのこと。3月には、人工知能(AI)を活用した会話機能も盛り込まれる予定だ。

自律的に動くロボットは集客の話題作りと見られがちだが、人手不足が続く小売りやサービス業界では即戦力としての期待が高まっている。イオンは2015年12月、ロボットと無線ICタグを組み合わせた在庫管理の実験を千葉市内の大型スーパーで開始した。閉店後にロボットが店内を巡回し、商品に取り付けたICタグの情報を読み取る仕組みだ。

イオンが導入したRFIDロボット(プロトタイプ)。このロボットが店内を巡回してRFIDを読み取り、実際の在庫を確認し、帳簿上との在庫の差異を確認する(ロボットによるサイクルカウント業務)

イオンが導入したRFIDロボット(プロトタイプ)。このロボットが店内を巡回してICタグを読み取り、実際の在庫を確認して帳簿上との在庫の差異を確認する

 

おなじみPepperくんも法人向け販売がスタート。日産自動車は販売店約100店にPepperくんの導入を進め、2016年2月2日には世界初の「自律移動」機能を付加した。椅子などをよけながら来店客を追いかけ、自動運転技術を分かりやすく紹介してくれる。

経済協力開発機構(OECD)によれば、2014年の日本の労働生産性は加盟国34カ国中21位と、決して高効率とは言えない。少子高齢化に伴う労働人口の減少に直面する企業にとって、生産性の向上と労働時間短縮の両立は大きな課題だ。ロボット店員を単なる「客寄せ」ではなく「実戦力」に育てることは、経営上の大きなカギとなる。

 

ソース・画像:日本経済新聞日本ユニシス公式サイトフェロウロボッツ公式サイトマイナビニュース

 

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