通勤ラッシュ解決の切り札となるか?空を飛ぶ自動運転タクシー 後編
2016.11.04 |- WRITER:
- irbis

渋滞はもうたくさん
数時間のフライトで空港に着いたとしても、そこから自宅や会社までがたいへん、だから飛行機は面倒だ、という不満はよく聞きます。公共交通機関は乗り換えがあって荷物を持っていると苦労するし、かといってタクシーは渋滞に巻き込まれたら時間が読めません。
そこで、エアバスがエアタクシーで玄関先までお送りしましょうというわけです。
エアバスの飛行機でゆったりフライトを楽しんだ後は、渋滞知らずのエアタクシーで目的地までどうです?というのです。
出発するときも、「スマホで予約すると玄関の前に無人エアタクシーが待っているというのはどうですか?」とエアバス・グループのCEO Tom Enders氏は提案しています。日本だとタワーマンションの屋上に駐機でしょうか。
エアタクシー・ヴァーハナがどのようなデザインになるのか今のところ不明ですが、2017年末までにフルスケールのプロトタイプが作られ、初のテスト飛行が行われることになっています。
ヴァーハナより大きく複数の旅客が乗ることができるシティエアバス(CityAirbus)の想像図はエアバスのサイトで見ることができます。

アーティストの想像するCityAirbus 四つのプロペラを持つクワッドコプター
電動モーターで複数のプロペラを動かし、プロペラが覆われているところがヴァーハナと共通しています。ヴァーハナは乗客一人または貨物とより小型なので、プロペラは二機かもしれません。
たくさんのプロペラで安全な飛行を
都市部の上空を移動するエアタクシーの需要はあると見込んでか、複数の会社が電動マルチコプター形式の小型無人機の開発を水面下で進めています。そしてそのいくつかはテスト飛行に成功しています。

ドイツe-voloのVolocopter 電動モーターで12機のプロペラを回す

NASAの垂直離着陸無人機GL-10 ディーゼルエンジンで発電し、電動モーターでプロペラを回す
複数のプロペラを持つマルチコプターが多いのは、都市上空を飛ぶには安全第一、絶対落下しないために複数のプロペラで万が一に備えるという考え方からでしょう。
自動運転のタクシーが地上にも空にも
いま解決しなければならない課題は、「静粛性」と「安全性」、「無人機同士のコミュニケーションをどう取るか」、「ハッキングをどう防ぐか」であると、エアバス・グループ開発部門のためにシリコンバレーで働いているMatthieu Repellin氏がインタビューに答えています。
その他、バッテリーの弱点である充電時間がかかりすぎる、そのわりに駆動時間が短い、という点が気になるところです。しかし、これらは自動運転車の課題と重なっていますから、地上を自動運転のタクシーが走り回る頃には、空にもエアタクシーが飛び交っているかもしれませんね。
ソース・画像:AIRBUS GROUP、VOLOCOPTER、ウィキペディア
