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通勤ラッシュ解決の切り札となるか?空を飛ぶ自動運転タクシー 前編

2016.11.03  | 
WRITER:
irbis
 

通勤ラッシュ、つらいですよね。

 

乗車率200%の通勤電車、渋滞で「高速」とは名ばかりの高速道路…。

 

大都市、たとえば東京には仕事もあるし給料も高いけれども、会社に着くまでに疲れ果ててしまうようでは仕事の能率も落ちるし、何よりつらい。
田舎暮らしに慣れない人が田舎で暮らすのは実はたいへんなのですけれど、老後はあのぎゅうぎゅう詰めから逃れてゆったりした田舎で暮らしたいと憧れる人が多いのもわかります。

 

都市への人口集中は今後さらに進むと見られています。
東京でもこのような状況をいったいどうやって解消するのか議論されていますが、見通しは立っていません。

SFに描かれる未来そのもの

これは日本だけでなく、人口増加と都市への人口集中の続くアジアの諸都市にも共通の問題です。通勤電車の屋根に人が鈴なりの映像や、自動車が我先に交差点に突進して渋滞している映像は誰しも一度は目にしていることでしょう。

 

こうした状況を打開する近未来の交通手段をヨーロッパの航空機メーカー、エアバス・グループが提案しています。

 

垂直離着陸できる無人機をタクシーとして利用し、地上の交通渋滞とは無縁の空を飛んで通勤に利用しようというものです。この計画の空飛ぶ無人タクシーヴァーハナ(Vahana)とサンスクリット語の名前が付けられています。仏教文化の伝統を持つ東アジア諸国の渋滞を解決します!という意気込みが感じられる名前です。

 

ヴァーハナとは、神の乗り物のことです。ヒンズー教の神々が描かれた絵を見ると、神様はゾウやクジャクやライオンに乗っていますが、あれがヴァーハナです。具体例をあげれば、インドで一番の人気者・ゾウの顔をした神様ガネーシャのヴァーハナは、ムシカという名前の巨大なネズミです。

巨大なネズミ

※画像はイメージです。

 

今がSFの描く未来

「それ、絶対無理!」
と言われそうですが、ちょっと待ってください。

 

無人機(ドローン)も自動運転も、現在では技術的に可能…というか実用段階です。その二つを合わせただけです。今はまだ技術的に解決されていない問題が残っていたとしても大枠はできています。昨今の技術進歩の早さを思えば、意外と早く解決すると思いませんか?

映画「メトロポリス」のマリア

未来都市の高層ビルの合間を飛行機が飛び交う様子は、最初期のSF映画「メトロポリス」(1927年)にも描かれていました。(画像はジョルジオ・モロダー版のマリア)

では、なぜ無理だと思ってしまうのでしょう?

航空法の規制はあるか

昨年(2015年)5月、首相官邸に所属不明のドローンが落下しているのが発見され、大騒ぎになったのは記憶に新しいところです。
この事件がきっかけで航空法が改正され、無人機(ドローン)にも明確な飛行ルールができました。

 

航空法(国土交通省)

 

「第九章 無人航空機」の項目がそれです。

 

普通、「無人機(UAV)」や「ドローン」という名でくくられる航空機に大きさの明確なきまりはありません。室内で飛ばして楽しむラジコンサイズからRQ-4グローバルホークのような全幅35m以上ある無人偵察機まで、等しく「無人機」「ドローン」と呼ばれています。

無人機・ドローンの例

無人機(UAV)、ドローンと呼ばれる航空機のサイズはさまざま

しかし、航空法の想定している「無人航空機」というのは、第二条の22の定義によれば、人が乗ることを想定していない大きさです。

 

詳しくはこちら(国土交通省・飛行ルールの対象となる機体)

 

国交省のQ&Aでは、「構造上人が乗ることができるような大きな機体のもの」は「航空機に該当する可能性がある」ということで個別に相談するしかないようです。

 

無人航空機に関するQ&A」(国土交通省 航空局)

 

航空法にはこの他に第八十七条「無操縦者航空機」という項目があり、ヴァーハナのような人を乗せて飛ぶ無人機はこれにあたるかとも思われますが、この「無操縦者航空機」の条項には、ただ操縦者が乗り組まなくても飛行は可能というだけで具体的なことは何も書かれてはいません。

 

そもそも、今までSFの中だけのお話しだと思われていたことがらに法規制があるのも変ですから、これは当然でしょう。ドローンが日常的に物を運ぶ、やがて人も運ぶのもあり得る話だよね、という段階になって初めてルールが必要というコンセンサスができていくのでしょう。今はほとんど白紙の状態です。

 

逆に言えば、端から無理なんて言うことはできない、ということでもあります。
あの通勤ラッシュを解消できるなら、どんな可能性でも試してもらいたいと思いませんか。

 

ソース・画像:エアバス・グループ国土交通省ウィキペディア

 

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