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人間vsロボット――自動採血ロボットは普及するか?

2016.10.28  | 
WRITER:
あずさゆみ
 

先日受けた健康診断の結果を見たところ、血中のカリウム濃度が異常な高値を示していました。高カリウムは心臓に影響を及ぼすので、大変なことになったと青ざめたのですが……。

採血の手際が検査値に影響

結論からいうと、問題はわたしの体ではなく、採血の手際にありました。つまり、採血したナースの腕が悪かったんですね。駆血帯をぎゅうぎゅうに巻いて腕をペチペチ叩き、こちらの指が痺れきったころにようやく採血。筋肉を圧迫しすぎるとカリウムが放出されますし、採血に時間がかかりすぎると赤血球が破壊されて(溶血といいます)カリウム値に異常が出るんです。ほかにも、検体の温度管理に問題があると溶血が起こります。

 

採血の下手なナースに当たった経験、ありませんか? 針を刺してから血管をさぐられたり、針が血管を突き抜けたり。必要以上に痛みをともなう採血は嫌なものですし、データに異常が出るのは困りますよね。今回の出来事だって、腎臓や心臓に問題がある人にとっては笑い話ではすみません。

 

個人の技量に大きな差がある採血。血圧測定のように機械にまかせられないのだろうか……と思ったら、ちゃんと開発されていました。自動採血ロボット、Veebotです!

血圧計のような形状の駆血帯。赤外線で血管を認識し、超音波で血流を確認して、採血にもっとも適したところを選ぶんですね。所要時間はおよそ1分。採血の腕は、熟練ナース並だそうです。

 

VascuLogic社でも、採血ロボットを開発しています。
venouspro
動画はこちら

本当に、あっというまです。所要時間が短ければ、溶血も起きにくいでしょうね。

医療従事者のリスクも抑えられる

採血にともなう問題は、患者だけのものではありません。針刺し事故によってHIVや肝炎ウイルスに感染した医療従事者は少なからずおり、米国における損失額は年間10億ドルにのぼるのだとか。日本でも、「針刺し予防の日」が制定され啓発運動がおこなわれています。
採血ロボットを導入すれば、医療従事者の針刺し事故はかなり減らせるのではないでしょうか。

導入の見こみは?

患者、医療従事者の双方に恩恵がある採血ロボット、2013年にプロトタイプが発表されていますが、今後導入は進むのでしょうか?

コストの問題もありますし、医療行為は人間がおこなうべきという固定観念が根強くあるため、急速に普及することはないかもしれません。
「長く待たされてようやく診察を受けたのに、触診もしなかった」という不満を耳にすることがあります。「手当て」という言葉があるように、人が触れることがなにより大切だという考え方もあります。ロボットが採血するなんて手抜きだ、と感じる人もいるでしょう。

 

人による採血には上手い、下手がありますし、最初から上手な人はいません。技能の向上のために我が身を捧げるか、人の温もりはないけれど一定以上の技量を持つロボットにまかせるか。あなたは、どちらを選びますか?
《画像ソース》
Veebot

VascuLogic

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