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装着型ロボット「HAL 医療用」が保険適用に

2016.02.10  | 
WRITER:
石井妙子
 

筋ジストロフィーなどが理由で歩行に支障がある人々にとって、新たな一歩を踏み出すきっかけとなるだろう。歩行機能回復を目的とする装着型ロボット、「HAL医療用(下肢タイプ)」への保険適用が決定した。

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HAL医療用(下肢タイプ)

 

装着医療用ロボット初の保険適用

筑波大学発のベンチャー企業、サイバーダインが開発した「HAL」は、サイバニクス技術(脳・神経科学、ロボット工学、IT技術、システム統合技術、生理学などを融合した学術領域)を駆使したロボットスーツ。?医療・介護・福祉、重作業、災害救助など多様な場面での使用が想定されており、今回保険適用が決まったのは「HAL医療用(下肢タイプ)」モデルだ。

今回の保険適用決定は、厚生労働省 中央社会保険医療協議会が2016年1月27日に開催した第325回総会で承認されたもの。サイバーダインは2015年11月に新医療機器としての薬事承認を取得しており、取得の際には保険適用申請の意向を示していたという。

「HAL 医療用(下肢タイプ)」の決定区分はC2(新機能・新技術)で、主な使用目的は脊髄性筋萎縮症や球脊髄性筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症などの患者が装着し、生体電位信号によって歩行機能を改善すること。保険償還価格(国が定めた医療機器の価格)は特定保健医療材料ではなく新規技術料として評価し、技術料は診療報酬改定に伴い評価を検討するとされている。推定適用患者数は3400人にのぼる。

どんな仕組みなのか

同社の公式サイトによると、下肢が不自由となる原因の多くは、脳・神経系の疾患にあるのだという。このとき、脳は通常通りの神経の経路をうまく使用できず、脚の動かし方が分からなくなっている。

「HAL医療用(下肢タイプ)」は、“歩きたい”、“立ちたい”という思い(意思)に従って装着者の脚を動かし、“歩けた”、“立てた”という感覚のフィードバックをタイミング良く行うことで、脳の学習を促すのだそうだ。

ではどうやって、「思い」がロボットに伝わるのだろうか?  ーー答えは皮膚にあった。

人が体を動かすとき、脳から神経を通して筋肉へさまざまな信号が送られているが、障害のある人は信号が発せられても筋肉が弱っているため、動かすことが難しい状況にある。この脳からの信号は、実は“生体電位信号”として皮膚表面に漏れ出ている。「HAL医療用(下肢タイプ)」は、皮膚に取り付けたセンサーで装着者の“生体電位信号”を読み取って電気的に処理。腰に付けたコントロールユニットのコンピュータに送り、信号を瞬時に解析してパワーユニットを制御し、装着者自身の脚での歩行や立ち座りをアシストするのだ。なお、装着者の体格に合わせて脚の長さだけでなく腰幅の違い、足のサイズの違いにも対応し、体を包み込むように支えてくれる。

困難を抱える人を助けるロボット技術。これからの医療のスタンダードになっていくだろう。

 

ソース・画像:公式サイトMONOist

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