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ドローンの安全講習、4月から

2016.04.29  | 
WRITER:
石井妙子
 

首相官邸や長野・善光寺、姫路城など、ドローンを使った事故のニュースが多く聞かれる昨今。今後さらなる利用が見込まれるドローンを安全に使うことを目指し、一般社団法人日本マルチコプター安全推進協会(JMSA、東京都港区)が始動しました。

現在、ドローンを活用する企業を対象に会員を募集中で、4月には全国でドローンの安全技術講習を始める予定です。「ドローンの発展を阻害しない、現実的な安全技術の策定と啓発が重要」と上田直生理事長。

ドローン安全講習1

ドローン黎明期の今だからこそ

ドローンは技術の進化はもちろん、航空法や電波法など関連する法律や条例、保険など、周辺環境の整備が現在進行形で進む黎明期にあります。

年齢を問わず比較的簡単に購入でき、ラジコン感覚で気軽に使えるのがドローンの魅力ですが、整備不良やバッテリー切れ、操作ミス、電波の制御喪失など事故要因が多いのも事実。1kg以上の重量物であるドローンが上空から落下してくれば、大事故を引き起こし得ます。また、改正航空法や電波法などの法律や条令も、一般の人々が理解し、守るためにはやや手間がかかってしまいます。

こうした理由から、ドローンをビジネスに利用する場合は安全講習を受けることが前提になりつつあります。安全で法律に即した運用のための座学や実技の教育、さらに機体の適法性検査、点検の手法などを学んだ上で使ってこそ、健全なドローン産業が育つというわけですね。

安全運用を目指すプレーヤーは多い方が良い

実は現在、ドローンの安全を目指して設立された協会は乱立状態にあります。研究者やメーカーが中心となり、機体の安全確保や操縦のライセンス、保険制度など、自主規制の策定や安全講習の実施を進めています。

特に、東京大学大学院の鈴木真二教授が代表を務める日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、千葉大学の野波健蔵教授が会長のミニサーベイヤーコンソーシアム、メーカー主導の日本産業用無人航空機協会(JUAV)が関連協会の”3強“とされるそう(下図)。

ドローン安全講習2
こうした中、JSMAはドローン関連の協会では”後発“の位置付け。「一つの協会にまとめた方が良いのでは?」と思いますが、上田理事長は「安全運用を目指す多くのプレーヤーがいた方が実現が早まる」と言います。

安全技術の確立が目的ならば、たとえ各協会が自主的に定めても基準は似たものになるはずで、改善が進めば同じ内容に収斂していくでしょう。さらに「複数の団体が切磋琢磨した方が、質の良い安全技術確立につながる」と上田理事長。

JMSAの特徴とこれから

JMSAの団体としての特徴は、中小型の回転翼機(マルチコプター)に対象を絞った点と、ドローンの操縦術よりも運用面での安全技術を重視する点。

今後、ドローンはセンサー技術とソフトウエアの進展で安定性が増し、誰でも簡単に操縦できるようになることが予想されます。そうなると、体調管理義務やオペレーターを2人以上にしてヘルメットを装着する、といった業務での配慮が重要になるため、基準作りを進めているそう。さらに、企業がドローンを使ったサービスを利用する際も、きちんとした安全対策を行っている企業を選んで契約できるよう、受け手側の教育も進める予定です。

この他にも、海外製ドローンが電波法などに違反していないか調べる検査サービスや、中小企業がドローンビジネスに参入する際の助言機能なども必要になるでしょう。各協会のきめ細かく柔軟な対応を期待したいものです。

 

ソース・画像:日刊工業新聞

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