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イスラエル発、悪路もなんのその! 登って泳げる波形ロボット“SAW”が登場

2016.08.11  | 
WRITER:
あずさゆみ
 

今回はイスラエルのネゲブ・ベン=グリオン大学が開発したSAW(ソー)というロボットをご紹介します。機体を大きく波打たせ、起伏の激しい路面や垂直のパイプ内、水中でも移動できるユニークなこのロボット、さまざまな分野での活躍が期待されています。

SAWはSingle Actuator Wave-like Robotの頭文字を取ったもの。単一の駆動装置で波のような挙動をするロボット、という意味です。それでは、さっそく動画をご覧ください。

体を波打たせて移動する姿がユーモラスですね。たったひとつのモーターが発生させるパワーが、うまく全体に力が伝わっていくようすがわかります。このロボットは脊椎に相当する構造物を持たず、ボディを大きく波打たせることで前後進します。

SAW

SAW

平坦な路面はもちろん、砂地や砂利道、草地、起伏の激しい面、さらに垂直の配管内でも移動が可能とは、守備範囲が広いですね。腹側と背面(といっていいのでしょうか)の複数のポイントで機体を保持しながら配管内を登っていく動きも、実になめらかで安定しています。

移動速度もなかなかのもの。秒速57センチと、同タイプの他のロボットの5倍の速度が出るそうです。垂直のトンネル内も、秒速8センチで登ることができます。スパイク状のパーツでグリップ力を増してやると、さらに13パーセント、速度をあげられるのだとか。

防水バージョンは、水中でも稼働します。器用な泳ぎを見せてくれますが、それもそのはず。SAWの動きには、小型の水中生物の研究が活かされているそうです。そういわれてみると、イトミミズやボウフラに似ているような気がします。SAWには脊柱に相当するパーツがないと書きましたが、たしかにあの縦波ムーブメントは脊柱動物にはない動きかもしれませんね。

SAWの構造はメンテナンスの必要がほとんどなく、エネルギー効率もいいとのこと。また、ボディは3Dプリンターで制作されているので、コストも抑えられます。3Dプリンターで制作するなら、目的に応じてサイズを変えることも容易ですよね。

SAW

大型のSAWは、捜索やレスキュー、建物などの保守点検を想定しています。複雑な配管内、倒壊した建物内で自由に動き回れたら、調査の効率が格段にあがりそうです。

小型のマシンは医療目的に。消化管に進入して画像を撮ったり、病巣の組織を採取したりという使い方が想定されているとのことです。
大腸の内視鏡検査は大変な苦痛を伴うと聞いたことがあります。腸内に無理な力をかけずに移動できるロボットがあれば、検査のハードルが低くなるでしょう。SAWの今後に期待したいですね。

 

《画像ソース》

Ben-Gurion University of the Negev

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