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ソニーAIが調理支援ロボットなどの研究開発プロジェクトを始動

2020.12.23  | 
WRITER:
haruka
 

2019年11月に発足し、日本・アメリカ・ヨーロッパに拠点を置くソニーAI。ソニーの既存事業領域である「ゲーム」「イメージング&センシング」に加えて、新規探索領域の「ガストロノミー」を研究開発のフラッグシップに設定しています。

この度「ガストロノミー」にフォーカスした新プロジェクトがスタートしました。

食×AI×ロボティクス

「AIで人類の想像力とクリエイティビティを解き放つこと」をミッションに掲げるソニーAIは2020年12月15日、『ガストロノミー・フラッグシッププロジェクト』を本格的に始動したと発表しました。

(出典:Sony AI YouTube公式チャンネル

このプロジェクトでは、「シェフの創造力や調理能力向上に貢献するレシピ創作支援AIアプリ調理支援ロボティクスの研究開発と、これら活動の礎となるコミュニティによる共創活動」を本格的に行うといいます。

ソニーAIはゲームや音楽、映画と同様にガストロノミーもシェフであるクリエイターと人を結ぶ、グローバルなクリエイティブエンタテインメントの領域と位置づけており、その機会を捉えるため研究開発と各種パートナーシップを推進していきます。

 

(出典:Sony AI|ソニーAIが「ガストロノミー・フラッグシッププロジェクト」を始動 ~ レシピ創作支援AIや調理支援ロボティクスの研究開発とコミュニティによる共創活動を開始 ~

ソニーAIが発足する1年前の2018年11月、ソニーはこんな動画をアップしていました。

(出典:Sony YouTube公式チャンネル

こんなふうに切ってね~と言われればその通りに切り、ドリンクを運んだり、チキンも焼いてくれて・・・バーではカクテルや食事を作るのもロボットが担当しています。とても夢のある映像ですね!

 

日本では美食術や美食学と呼ばれる「ガストロノミー」。AIやロボットと組み合わさることで、一体どんなことが実現するのでしょうか。

シェフの右腕になるロボット

「調理支援ロボティクス」については、世界トップクラスのシェフの右腕になったり、シェフの技能をも凌駕する高度かつ精密なロボットの研究開発を推進していくといいます。

 

一言に「調理」と言っても、形や特性の異なるさまざまな食材の下準備、調理、盛り付けまでたくさんの工程があります。加えてソニーAIはこれをシェフとのコラボレーションを通じて、シェフの技術をセンシングしたり、AIを活用してロボットに学習させ、調理から盛り付けまでの全工程で支援することを目指しているようです。

さらに、リモート技術を用いた遠隔でのロボット操作も研究開発の対象だといい、「遠隔地においてより多くの人にシェフの料理を提供することなど」も視野に入れているのだとか。こうした取り組みについて「AIロボティクスの分野における大きなチャレンジである」と述べています!

 

食材によって適した切り方があったり、出来上がった料理も盛り付けひとつで美味しそうに見えるかどうか変わったり、「調理」はたくさんのことを考えなくてはいけません。

世界トップクラスのシェフの右腕になるほどのロボットは、シェフの料理への思いやセンスを再現するような繊細な作業が求められそうですね。

アプリは食材のペアリングやレシピを提案

今回のプロジェクトでは、味・香り・風味・分子構造・栄養素といった食のレシピや食材に関するさまざまなデータをもとに、独自の解析アルゴリズムと世界トップクラスのシェフも納得する新たな食材のペアリングや、レシピ・メニューの創作を支援する「レシピ創作支援AIアプリ」も開発します。

食材の組み合わせには無限の可能性があり、また土地や風土、季節、人の健康状態や食への嗜好などの 制約条件も考慮する必要があるため、AIの研究テーマとして非常に難易度の高いものであると捉えています。

 

(出典:Sony AI|ソニーAIが「ガストロノミー・フラッグシッププロジェクト」を始動 ~ レシピ創作支援AIや調理支援ロボティクスの研究開発とコミュニティによる共創活動を開始 ~

次の画像は、レシピ創作支援AIアプリのGUIのイメージです。

(出典:Sony AI|ソニーAIが「ガストロノミー・フラッグシッププロジェクト」を始動 ~ レシピ創作支援AIや調理支援ロボティクスの研究開発とコミュニティによる共創活動を開始 ~

例えば、中心にあるチョコレートと大吟醸酒という組み合わせを人が選択すると、それに最適な食材をAIが提案するといいます。このケースでは、カリフラワーや海苔やウニなどを挙げています。

 

このアプリは「料理の味が美味しいことに加え、人の健康に寄与し、環境のサステナビリティにも貢献するレシピ提案ができるもの」を目指していて、開発にはシェフとの対話から得られる知見、食材に関するさまざまなデータを提供するパートナーとの協力関係を築きながら推進していく考えです。

 

またソニーAIは、″新たなレシピやメニューの創作、調理にはシェフが持つ知見や経験とクリエイティビティがベース″にあり、創作された料理の楽しみは″ガストロノミーコミュニティの健全性の上に成り立っている″としています。

 

そこで、コミュニティの長期的な持続可能性に貢献することを目的に、世界中のシェフのコミュニティとの関係強化を図ったり、これらの領域において最先端の研究を行う大学・研究機関・企業とともに多方面から研究開発を推進するといいます。

その第一弾として「シェフ・インタビュー・シリーズ」が公開されました。総勢18名のシェフ・食の専門家にインタビューしており、その中には日本人シェフも参加しています!

(出典:Sony AI YouTube公式チャンネル

(出典:Sony|人類のクリエイティビティの拡張に向けて 人工知能(AI)の研究開発を加速する「Sony AI」を新設、Sony AI|ソニーAIが「ガストロノミー・フラッグシッププロジェクト」を始動 ~ レシピ創作支援AIや調理支援ロボティクスの研究開発とコミュニティによる共創活動を開始 ~Gastronomy Flagship Project

 

『ガストロノミー・フラッグシッププロジェクト』は、ロボットがシェフの技術を習得して調理するだけでなく、分子構造データまで解析してレシピを提案するというとても興味深い内容です。

どんなロボットが誕生するのかということはもちろん、AIが提案する食材の組み合わせの料理はどんな味になるのかも注目ですね!

 

さて、中国では今年、ロボットが調理から配膳まで担当するレストランが開業しました。なかなか派手なレストランですが行ってみたくなる魅力があります。

最短20秒で料理を提供!?

2020年6月、中国・広東省仏山市に調理も配膳もすべてロボットが行うレストラン「FOODOM天降美食王国机器人餐厅がオープンしました。2,000平方メートルという広いレストランには約600人を収容できます。

 

ここでは中華・火鍋・ファストフードをメインに20種類のロボットが調理を担っています。料理の味は、シェフの調理法などのデータをロボットに学習させ再現できるようにしました。200種類もの料理を調理し、メニューによっては20秒ほどで提供できるそうです!

(出典:CGTN YouTube公式チャンネル

出てくる料理はどれも美味しそう。出来上がるまで間近で見ていたくなるようなレストランですね。客席の上から吊るして料理を提供するその様子は、レストランというよりエンターテイメントのような感じがします。

 

(出典:AFP BB News|仏山市でレストラン開業、店舗業務はロボットが担当 中国・広東省、ROBOTEER|ついに登場!ロボットがすべての作業を行うレストラン…中国・FOODAM、人民網日本語版|テクノロジー満載なロボットレストラン、今後のトレンドになるか

 

フードテックは広がりを見せており、先日はバウムクーヘンを職人レベルに焼くユーハイムの「THEO」やプロントのパスタ調理ロボットを取り上げました。このようにシェフの技術を習得して調理するロボットの登場で、技術の継承や新たな創造に繋がっていくでしょう。

また、″ロボットが調理する″ということ自体がユニークであり、これまでにない食の楽しみ方ができるのではないでしょうか。今は飲食店が中心ですが、家庭向けにも調理ロボットが広まるといいなと思います。

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