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世界初!アバターロボット遠隔操作で一般人が街から宇宙にアクセス

2020.11.19  | 
WRITER:
haruka
 

日本時間11月16日、JAXAの宇宙飛行士・野口壮一さんとNASAの宇宙飛行士3人を乗せたSpace Xの「Crew Dragon」がISS(国際宇宙ステーション)に向けて飛び立ち、17日に到着し無事ISSとのドッキングに成功しました。ISSには半年ほど滞在しさまざまな実験を行います。

 

民間企業の宇宙船が有人飛行を本格的に開始したということもあり、世界中から注目を浴びることとなった今回のミッション。同時期にISSで行われる実験には、なんと私たち一般人も参加できるんです。

街から宇宙へアクセスしよう!

ANAグループのavatarin株式会社と凸版印刷株式会社は、2020年11月19日から22日まで行う2つの実証実験において、11月21日・22日に『AVATAR X space avatar 宇宙を身近に感じよう』として虎ノ門ヒルズビジネスタワーにて一般公開します。詳細はこちら

 

この実証実験には、ISSの日本実験棟「きぼう」に設置されたアバターロボットを世界で初めて一般人が街なかから操作する技術実証と、アバターロボットやウェアラブルデバイスを用いた遠隔によるJAXA施設見学を行う事業実証があります。

 

会場から参加できるアバターロボットの操作体験では、「きぼう」に設置されるアバターロボット『space avatar』をリアルタイムで直接動かし「きぼう」船内から宇宙や地球を眺められます!

「space avatar」には、JAXA施設外から「きぼう」と通信する技術や映像伝送技術が利用されます。これは極限環境でのデータ通信の環境構築・技術開発を行うことで、今後災害時や通信インフラが未整備のエリアでもアバターが利用できるようにすることを目的としています。

地球から遠隔操作で宇宙にいるアバターを動かせるかというだけでなく、もしもに備えた実験でもあるのですね。

 

遠隔でJAXAを見学する事業実証では、筑波と種子島のJAXA展示施設を対象に専門家ガイドによる遠隔見学を実施します。

筑波宇宙センターの遠隔見学ツアーでは、同センターにavatarinのアバターロボット『newme』を設置し、会場や自宅などから1回30分の遠隔見学を実施します。自分でアバターロボットを遠隔操作し自由に施設内を移動できるそうです。

なお、この見学ツアーは文化庁の「文化芸術収益力強化事業」の一環として、自宅など会場外からの見学を1回500円(通信・機器利用費)と設定し収益の費用対効果を確認するといいます。

 

「種子島宇宙センター」の遠隔見学ツアーでは、凸版印刷のIoA仮想テレポーテーション技術を用いて遠隔地にいる人と体験を共有できるウェアラブルデバイス『IoANeck™』を活用します。

IoA仮想テレポーテーション®とは移動距離・時間を超え、現地の人員やドローン等のデバイスを使って自分がそこにいるような感覚で遠隔体験ができるサービスです。

 

(出典:凸版印刷株式会社|IoA仮想テレポーテーション®

『IoANeck™』は前面に搭載された端末から映像や様々なコンテンツの送受信ができ、身につけた人が見たり聞いたりしたものを遠隔地にある画面を通じて同時に体験できます。

装着部分が振動することで進行方向や向きなどの指示を出せる″ハプティクス″による指示ができ、言語の違いや身体的な制約により会話が難しい場合でもコミュニケーションが図れるといいます。コントローラーで操作するロボットに比べてより簡単・気軽に操作できるようです。

 

見学ツアーでは「種子島宇宙センター」の専門家ガイドが『IoANeck™』を装着し、会場から参加者向けにツアーの様子を映像と音声で配信します。

(出典:凸版印刷株式会社|凸版印刷、首にかけるIoAデバイスを開発

(出典:凸版印刷株式会社|宇宙でのアバター技術活用に向けた第一歩として、宇宙を身近に感じる 宇宙-地上間の技術実証を実施凸版印刷、首にかけるIoAデバイスを開発IoA仮想テレポーテーション®

 

撮影した映像をただ見るのと違い、リアルタイムに自分で操作したり移動しながら宇宙を感じられる非常に貴重な体験ができますね!こうしたイベントが今後も増えていくといいなと思います。

宇宙に対する人々の好奇心が高まると同時に、ロボットを宇宙へ連れていくんだ!と開発に取り組む企業もいます。ある世界的な賞金レースに多くの日本企業が参加しています。

日本のチームは優勝なるか?!

賞金総額1,000万ドルの国際技術コンテスト『ANA AVATAR XPRIZE』。

XPRIZE財団が運営しANAホールディングスがスポンサーであるこのコンテストは、先端技術を用いて遠隔で周りの環境や人々と応対できるアバターロボットを開発するもので、2018年3月に始まり2022年6月に決勝を予定しています。

(出典:XPRISE YouTube公式チャンネル

VR・AR(視聴覚)、ハプティクス(触覚)、ロボティクスなどの技術を複合させて、自分が実際に移動せずとも、現地にいる「アバター(=分身)」を用いて、物理的に物を動かしたり触ったりできる最先端テクノロジーの実現を目指します。

この実現により将来、たとえば、感染症発生地域でアバターを使い、僻地で医療者が医療技術を提供する、教育者が授業を提供する、などが可能になり、社会的な課題解決へ貢献していきます。

 

(出典:ANAホールディングス|ANA AVATAR XPRIZEが始まりました!

2021年に行われる予定の準決勝には、日本から14チーム(2020年1月時点)が選ばれています!その中から今回は3つのチームを紹介します。

 

(出典:ANAホールディングス|ANA AVATAR XPRIZEが始まりました!、XPRIZE|ANA AVATAR XPRIZEPRIZE TEAMS

ADAWARP

株式会社カナモト、有限会社浅草ギ研、アダワープジャパン株式会社の3社と、千葉大学の教授を技術顧問に加えたチーム・ADAWARPは、月の建設現場で稼働するアバターロボットを開発しています。

コンテストでは、″安全な地球上から空気も食料もない危険な月面の建設現場で重機を動かすアバターロボット″というテーマで予選を通過しました。浅草ギ研は「このシステムが開発されれば月面だけでなく、地球上の危険な地域での建設や救助活動も可能」になるとコメントしています。

 

(出典:有限会社浅草ギ研|浅草ギ研はチーム「ADAWARP」に参加し賞金総額1000万ドル(約10憶6500万円)の技術コンテスト「ANA AVATAR XPRIZE」で一次審査を通過しました。

FRJ-DOKAROBO

株式会社富士建とField Robotics Japanのチーム・FRJ-DOKAROBOは、携帯電話回線(4G/LTE)経由で遠隔操作可能なアバタープラットフォーム「FRJ Remote System Ver 0.10」を共同開発し、予選を通過しました。

両社はコンテストのメインテーマであるアバターロボットを「広義の意味で世界のバリアフリー化を推進していく技術」と捉えているといいます。

(出典:株式会社富士建|総額10億円の賞金付き国際コンテスト「ANA AVATAR XPRIZE」に挑戦する日本チーム「FRJ-DOKAROBO」が予選を通過、次の競技審査に向けて開発を加速

GITAI

ISSの船内・船外作業を宇宙飛行士に代わって実施できるロボットを開発するGITAIも、予選を通過したチームのひとつです。

GITAIロボットのプロトタイプ(6号機)は、宇宙ステーションの限定的なネットワーク環境を前提に、スイッチ操作や工具操作などこれまでのロボットでは困難だった汎用的な作業を1台のロボットで実施できる性能を実現しました。

ちなみに、GITAIはアメリカの民間宇宙企業・Nanoracksと共同で、2021年度にISSで汎用作業遂行技術実験を行うことが決定しています。

同社のFounder兼CEOの中ノ瀬翔氏は「私達が本技術実証に成功すれば、これまでよりはるかに安価で安全な汎用的な作業手段を宇宙市場に提供できるようになり、真の宇宙商業化時代の幕開けとなるとなるでしょう」とコメントしています。

 

(出典:GITAI|宇宙用ロボットを開発するGITAIが賞金総額10億円の国際技術コンテスト「ANA AVATAR XPRIZE」の予選を通過、準決勝に進出GITAIとNanoracks、ISSのBishop船内でGITAIロボットによる技術実証を発表

 

現在は宇宙飛行士しか行くことはできない宇宙も、地球にいながらロボットやアバターの遠隔操作が可能になれば誰でもアクセスできるようになり、宇宙はもっと身近に感じられそうです。

また、人に代わって難しい作業や危険な作業を行うロボットの登場で、宇宙飛行士は研究や調査に集中できるでしょう。宇宙に関する新たな発見が話題になることもありますが、一説によると宇宙の謎はまだ5%程度しか解明できていないのだとか・・・ロボットの協力が驚くべき発見につながるかもしれません!

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