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メンタルヘルスケアを「ロボットに頼りたい」8割超 背景には″先入観の無さ″

2020.10.15  | 
WRITER:
haruka
 

ちょっと聞いてほしい程度から深刻な話まで、相談といっても内容はさまざま。相談する相手によって返ってくる答えも異なるでしょう。その反面、人と一定の距離間をもって相談に乗ってくれるロボットは支持され、仕事の生産性にも役立っているようです。

ロボットに相談したい人多数

オラクル・コーポレーションは2020年10月7日(米国時間)、日本を含む11カ国の12,347人の回答者を対象に行った、職場でのメンタルヘルス、AIテクノロジー、デジタル・アシスタント、チャットボット、ロボットについての経営層と従業員の行動に関する調査結果を発表しました。この調査は、人事関連のリサーチおよびアドバイス業務を行うWorkplace Intelligenceと共に実施したものです。

 

調査ではなんと82%の人が「メンタルヘルスのサポートを人よりもロボットに頼りたい」と回答したのです。

コロナ禍によって職場でのストレス、不安、極度の疲労(燃え尽き症候群)が増加し、人々が人よりもロボットに支援を求めたいと考えていることが判明しました。

 

(出典:日本を含む11カ国、12,000人調査:82%が、人よりロボットがメンタルヘルスを上手く支援と回答

テクノロジーを活用したメンタルヘルスサポートはいくつか登場していますが、ここまで多くの人が頼りにしたいと考えていることに驚きました。

なぜロボットに頼りたいのか、ロボットへの相談が人にとってどのようなメリットをもたらすのかなど、調査結果について詳しく見ていきたいと思います。

新型コロナのメンタルへの影響

新型コロナウイルスで生活が一変し、目に見えないものとの闘いに誰もが肉体的・精神的に疲れやストレスを感じていることでしょう。調査では78%の人がメンタルヘルスに悪影響を及ぼしたと考えています。職場での日常的なストレスに加えて、パンデミックによる新たなプレッシャーも生じてしまいました。

 

パンデミックは職場でのメンタルヘルス問題を悪化させるだけにとどまらず、家庭にもおよび、85%の人が「職場でのメンタルヘルスの問題(ストレス、不安、極度の疲労)が家庭生活に影響している」と回答しました。その影響の上位には「睡眠不足」「体調不良」「家庭での幸福感の減少」が挙がりました。

リモートワークが進んだことで仕事とプライベートの境界があいまいになりました。35%の人が以前に比べて毎月40時間以上多く働くようになり、25%の人が過剰労働による極度の疲労に陥ったといいます。

一方でリモートワークによるメリットもあり、62%の人はコロナ禍以前の仕事内容よりもリモートワークに魅力を感じています。家族との時間が増えたり、睡眠時間が増えたり、作業スピードが上がったという回答が見られました。

テクノロジーによるメンタルヘルスのサポートを期待

最初に述べたように、「メンタルヘルスのサポートを人よりもロボットに頼りたい」という回答は82%に上ります。国別のトップはインドの92%、日本は82%(6番目)となりました。ロボットに頼りたい理由として次のことが挙げられます。

・「ジャッジメント・フリー・ゾーン(無批判区域、決めつけのない環境)」を与えてくれる(34%)

・問題を共有する上での先入観のない感情のはけ口を提供してくれる(30%)

・医療に関する質問に迅速に回答してくれる(29%)

 

(出典:日本を含む11カ国、12,000人調査:82%が、人よりロボットがメンタルヘルスを上手く支援と回答

″人に比べて先入観が無く回答も早い″というロボットの特性が支持されているのが分かりますね。

全体の68%は「仕事上のストレスや不安を上司よりもロボットに話したい」と回答し、80%はロボットをセラピストまたはカウンセラーとして利用することを受け入れているようです。

 

また75%が「仕事でのメンタルヘルスの改善にAIが役立った」と回答しています。主なメリットには次のことが挙げられます。

・仕事の効率化に必要な情報の提供(31%)

・作業の自動化と仕事量の削減による極度の疲労の防止(27%)

・仕事の優先順位付けによるストレスの軽減(27%)

 

(出典:日本を含む11カ国、12,000人調査:82%が、人よりロボットがメンタルヘルスを上手く支援と回答

さらに、過半数の労働者にとってAIは「週間労働時間の短縮」と「より長い休暇の取得」にも貢献することも分かりました。回答者の半数以上が、AIが従業員の生産性、仕事の満足度、全体的な幸福を向上させると考えています。

このように、AIやロボットによるメンタルヘルスへのサポートを求める声は非常に多いのです。

仕事でのメンタルヘルス問題は″無視できない″

オラクル・コーポレーションは調査について「世界中の従業員がメンタルヘルスの一層のサポートを組織に求めており、この支援が得られない場合、世界の労働者のグローバルな生産性と公私の生活に深刻な影響が生じます」と述べています。

42%が「職場でのストレス、不安、または極度の疲労によって生産性が低下した」、40%が「それが誤った判断の増加につながる」と考えているようです。

そして76%が「自分の会社が今以上に従業員のメンタルヘルスを守る必要がある」と回答しました。51%の企業は「新型コロナウイルスの結果としてメンタルヘルスのサービスまたはサポートを追加した」と回答し、すでに従業員をサポートするよう努めていることもうかがえます。

 

全体の83%がメンタルヘルスのサポートのために自身の会社がテクノロジーを利用することを望んでおり、そのテクノロジーには次のようなツールが含まれます。

・医療情報へのセルフサービスでのアクセス(36%)

・オンデマンド・カウンセリング・サービス(35%)

・プロアクティブな医療モニタリング・ツール(35%)

・健康または瞑想アプリの利用(35%)

・医療に関する質問に答えるチャットボット(28%)

 

(出典:日本を含む11カ国、12,000人調査:82%が、人よりロボットがメンタルヘルスを上手く支援と回答

今回の調査結果を見て、「感情移入しないロボットから明確な解決策を示してほしいのかな」と私は感じました。自分を知っている身近な人より話しやすい、というのは共感できる気がします。

加えて、「リモートワークで仕事とプライベートがあいまいになるからロボットで仕事を効率化・自動化しよう」「ヘルスケアに関する情報をパッと手に入れたいからアプリやチャットボットを利用しよう」といったように、効率重視な側面もあるのではないでしょうか。

 

(出典:日本を含む11カ国、12,000人調査:82%が、人よりロボットがメンタルヘルスを上手く支援と回答

脳波から″疲れを可視化″

″思ったよりストレス溜まってたな″という経験は誰にでもあるでしょう。ストレスをモニタリングできるツールで、自分では気付かなかった疲れを可視化して早めにケアできるようになりそうです。

 

VIE STYLE株式会社は2020年10月13日、同社が開発するイヤホン型脳波計『VIE ZONE(ヴィーゾーン)』から測定された脳波などの生体情報により集中度・疲労度を解析し、生産性を支援するAIを開発する共同研究を東京大学と開始したと発表しました。

 

VIE STYLEは、耳の痛くならないヘッドホン『VIE SHAIR(ヴィーシェア)』や、柔らかいイヤホン『VIE FIT(ヴィーフィット)』など音楽関連の革新的デバイスを開発しています。クラウドファンディングでは2020年6月時点で累計2億円以上を調達し、世界40カ国に販売しているハードウェアスタートアップです。

VIE ZONE』は特許申請中の独自構造を持つ、高性能Bluetoothイヤホンから脳波・心拍・呼吸を取得できるウェアラブルデバイスです。働く人の集中度・疲労度などを脳波でモニターし可視化することで、リモートワークにおける生産性支援やメンタルヘルスケアを行うサービスを開発することを目的としています。

 

耳から脳波・生体情報を取得する技術を持つ市販の製品はほとんど無いそうで、同社は世界初を目指して開発を進めています。一方で、頭蓋骨や耳の形が人それぞれ違うことから、センサーを密着させて高品質のデータを取得するのが非常に難しいそうです。

同社は、これまで開発してきた耳にフィットする製品の技術の応用と、独自のAI手法による個人個人の解析モデルを作ることで高品質・高精度のデータを取得できるようになりました。ストレスチェックのほか、エンタメ、教育、スポーツなど多くの分野で活用が見込まれています。

(2020年2月に公開された企業紹介動画 出典:fundinno JCC YouTube公式チャンネル

(出典:東京大学とVIE STYLE、脳波×AIで共同研究を開始「新しい生活様式」に向けた音楽体験への挑戦「SUPER DOMMUNE tuned by au5G」にて最新型AR技術を用い、DAOKOのミュージックビデオの世界観を生配信ライブで再現!

 

″身近な人やカウンセラーに相談する″という手段に加え、テクノロジーを活用したメンタルヘルスケアももっと浸透していってほしいですね。ストレスなく生活したり集中力を高められるツールが増え、多くの選択肢から自分に合うケアを選べるようになることを期待しています。

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