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倉庫・街でも物流ロボットが活躍!市場規模は今後10年で8倍以上か

2020.09.28  | 
WRITER:
haruka
 

ロボットが私たちの仕事や暮らしに馴染むようになり、今となっては何も珍しいことではなくなりました。たくさんのロボットの中から今回取り上げるのは、物流に関わるロボットです。

 

はじめに、物流ロボット市場がどのくらいの規模なのか見ていきたいと思います。

2030年度には日本市場規模1,500億円超えと予測

矢野経済研究所の調査によると、2019年度の日本の物流ロボティクス市場規模(事業者売上高ベース)131億4000万円(前年度比155.3%)と推計されました。

 

物流について「今や重要な社会インフラの一つと認識されているが、労働集約型産業であるが故に人手不足が他業界より深刻であり、近年その課題が浮き彫りになっている」といい、これを解決するものとして注目を集めているのが「倉庫現場における物流ロボットの導入」だと述べています。

2019年度は人と協働で働くピッキングロボットの販売展開が始まったことや、ピッキング作業を行うGTP型無人搬送車やロボット自動倉庫の伸長により好調だったといいます。

 

また、現在の物流業界は、万が一の事態が起こっても事業を継続していくことに重きを置いていると考えられるようです。

今までの物流ロボットの役割は労働力不足を補うための無人化や省人化の促進といった意味が大きかったが、現在はBCP(事業継続計画)という観点からも注目が集まっている。

 

(出典:2019年度の物流ロボティクス市場規模は、前年度比155.3%の131億40百万円

現在のように密な現場を避ける必要があったり、非常時に人が倉庫内で作業が行えなくなっても、ロボットなら稼働できるという強みがあります。

 

矢野経済研究所は、「物流は「止めない」ことが大前提であり、その社会的責任がある。止めない物流を実現するために、BCPの観点からも物流ロボットが果たす役割は大きい」と述べ、火災など有事に対応できる物流倉庫が顧客企業の信頼獲得に繋がることから、「今後は有事対応が可能な物流倉庫が検討されるようになっていく可能性がある」といいます。

今までよりロボットの導入は早いスピードで進んでいくと見込み、2020年度には市場規模175億3000万円(前年度比133.4%)と予測しています。

今回の市場調査には含めていないものの、実証実験が進められるラストワンマイルの配送を担う屋外の配達ロボットやドローンについても触れ、「道路交通法や航空法の改正や緩和が行われていくことで、5年以内には実際に稼働していく可能性が高い」と述べています。

屋外向け物流ロボットも加わると市場もさらに伸長し、2025年度には583億円、2030年度には1,509億9000万円へと拡大すると予測しています。

 

(出典:2019年度の物流ロボティクス市場規模は、前年度比155.3%の131億40百万円

 

屋外で稼働するロボットやドローンも含めると、物流ロボティクス市場は2020年度から2030年度で8.6倍もの拡大が予測されているんですね!

人手不足の解消に期待が高まる物流ロボットは、倉庫だけでなく、街中へと活躍の場を広げています。

公道で配送ロボット実証実験が始まる!

株式会社ZMPは2020年9月17日、日本郵便が主催する全国で初めての″物流分野での配送ロボットの活用に向けた公道走行実証実験″を東京都内で行い、同社のロボットを提供すると発表しました。必要な手続きを終えたあと、2020年10月末まで行われる予定です。

試行概要:全国で初めて公道(歩道)において、配送ロボットによる輸配送実証実験を行うことで、ラストワンマイル配送(注)における配送ロボットの可能性を検証し、省人化配送の実現を推進
(注)物流分野における配送拠点からお客様の手元に荷物が届くまでの区間

 

(出典:日本初!物流分野での配送ロボットの活用に向けた公道走行実証実験

ZMPは″ヒトとモノの移動を自由にし、楽しく便利なライフスタイルを創造する″ことをミッションにロボット開発に取り組む企業で、低速自動運転ロボットや物流支援ロボットを提供しています。今回の実証実験で活用するのは、低速自動運転ロボットの無人宅配ロボ『DeliRo(デリロ)』です。

 

『DeliRo』は人と共生することを目指して開発されたロボットです。複数のカメラやレーザーセンサーを搭載し、周囲の通行人を検出して自動回避したり、障害物の手前で安全に停止することができます。カメラにより遠隔での周囲監視もできます。

また、表情や声で周囲とコミュニケーションをとることができ、声で存在を知らせたり道を譲ってもらうお願いもできる「周囲の人が心地よく共生でき、安全に走行するロボットだといいます。

利用環境や頻度などによって異なりますが、1時間充電すると2~6時間稼働できるそうです。

2020年3月に「CarriRo Deli」から現在の「DeliRo」に名称を変更したそうです。(出典:zeromomentpoint YouTube公式チャンネル

この動画は、2019年4月に韓国のトップフードデリバリーサービス企業と共同で行った実証実験の様子です。段差を難なく乗り越えたり、犬を散歩中の人が目の前に現れると止まっているのがわかります。まるい瞳も愛らしいですね。

一般住民が生活する35棟のマンション群からなるエリア内で行われ、車両や人々が行き交う環境でしたが安全に走行できました。

2020年8月には、高輪ゲートウェイ駅前で行われた期間限定イベント「Takanawa Gateway Fest」内のフード&クラフトマーケット芝生広場にて、無人デリバリーサービスの実証実験を行いました。このときはDeliRoを活用して注文から決済、デリバリーまで完全キャッシュレスかつ一気通貫で無人で実施しました。実証実験結果を通じて、高輪ゲートウェイの街での実用化やデリバリーの人手不足解消に向けて検討していく考えです。

 

ロボットはモノだけでなく食品のデリバリーも可能なため、現在の″人によるデリバリー″から″ロボットによるデリバリー″へと代わる日も近いかもしれません!

 

(出典:日本初!物流分野での配送ロボットの活用に向けた公道走行実証実験宅配ロボットCarriRo® Deli 韓国No.1企業と配送実験!With/Afterコロナ時代の新たなデリバリースタイルの検証「無人デリバリーサービス」実証実験

 

矢野経済研究所の予測でも触れられているようにドローン配送も注目されています。これまではとくに離島への物資配送の実証実験が日本各地で取り組まれてきました。いよいよ市街地での実証実験も始まります。

″空の産業革命″ドローンの活用

日本では2022年に有人地帯での目視外飛行=レベル4を実現すること目指し、法整備や機体の開発が進められています。2020年7月にはロードマップも発表され、ドローンが社会的課題に貢献するよう取り組んでいく考えです。

東京都はドローンの目視外飛行の実現を機に、ドローンを活用した物流ビジネスなど″空の産業革命″に対応する新たなビジネスの速やかな社会実装を目指し、ドローン関連のビジネスモデル構築を2021年度までの2か年度で支援するといいます。2020年8月31日には支援対象となる2件のプロジェクトを選定したと発表しました。

 

そのうちのひとつ『東京都におけるドローン物流プラットフォーム社会実装~ドローンを活用したまちづくり~』にはKDDI株式会社、日本航空株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社ウェザーニューズ、Terra Drone株式会社の5社が参画し、「医薬品配送のドローン配送」と「駅周辺施設を活用したフードデリバリーや警備などのサービス」の検証を行います。想定対象エリアは都内湾岸エリアおよび都心の駅周辺、実施期間は2020年8月~2022年3月の予定です。

生産年齢人口の減少、荷物の小口化と多様化により、物流分野におけるドライバー不足が顕在化しています。また、新型コロナウイルスの蔓延により、物流分野においても人を介さない非接触やソーシャルディスタンスを確保する生活様式の変化に対応することが求められ、それら課題をドローン物流により解決し持続可能な事業構築を目指すとともに、アフターコロナにおける物流変革にも貢献します。

 

(出典:「東京都におけるドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクト」に参画

離島での実証実験に比べ、都心の駅周辺では人通りが多かったり建物が密集しているため注意深く飛行する必要がありますね。

 

もうひとつのプロジェクト『小売店舗と連携したドローン配送サービス構築プロジェクト』は実施期間はまだ不明ですが、多摩地区の郊外エリアにて「主に、インターネット等による注文後の商品の即時配送サービスや、他事業者と連携した荷物の集荷・配送サービス等のモデル構築を目指す」といい、「郊外エリアの小売店舗から、複数の目的地に商品等を配送する物流サービスを検証」する予定です。

 

ドローン配送は荷物を素早く届けられることに加え、人との接触を避けて荷物を送る・受け取ることができます。安全性を確保した飛行や目視外飛行が実現すれば、物流の新たなカタチとして定着するでしょう。

 

(出典:空の産業革命に向けたロードマップ2020ドローンを活用した物流サービス等のビジネスモデル構築に関するプロジェクトを選定しました「東京都におけるドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクト」に参画

海外大手企業もドローン配送に積極的

海外に目を向けると、Amazonは2020年8月31日、ドローンを用いた商用配送サービス『Amazon Prime Air』がアメリカ連邦航空局から認可されたと発表しました。同サービスでは注文を受けてから30分以内に配達することを目標としています。すぐにサービスを始めるわけではないようですが、認可を受けたことでスタートへの準備が整ったと言えそうですね。

※2019年6月に公開されたテスト飛行の様子。(出典:Amazon YouTube公式チャンネル

ウォルマートもドローン導入に向け着々と準備を進め、イスラエルのスタートアップ企業Flytrex、ルワンダを拠点に医薬品配送ドローン事業を行うZiplineの2社と組んでドローン配送サービスを行うことを9月上旬に発表しています。Flytrex社とはウォルマートの店舗から食料品や家庭用品を、Zipline社とは健康・ウェルネス商品の配送を行うようです。

 

(出典:Amazon、ドローン配送の認可取得 30分内の配達可能にWalmart Now Piloting On-Demand Drone Delivery with FlytrexWalmart and Zipline Team Up to Bring First-of-Its Kind Drone Delivery Service to the United States

 

ロボットやドローンが物流を支えてくれることで、人間の負担は減り、今までより便利で豊かな生活ができるようになるのではないでしょうか。ロボットに任せられることはお願いして、人間は人間にしかできないことを担い共存していきたいですね。

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