RN 010593

「eVTOL」の開発進む 空飛ぶクルマの実用化は2030年?!

2020.08.26  | 
WRITER:
haruka
 

″空飛ぶクルマ″と聞いて私が思い浮かべるのは、映画「フィフス・エレメント」のワンシーンです。この映画では一般的な車のカタチをした乗り物が空を飛んでいました。

 

車で空を飛べたらいいのにな、きっとスイスイ移動できるだろうな、でもそんなのSFの話だよねと誰もが思うでしょう。いえいえ、″空飛ぶクルマ″の実現はあと少しというところまで迫っているのです!そして近年開発されている機体はドローンやヘリコプターに似たカタチをしています。

日本発ベンチャーが世界大会で受賞!

eVTOL(イーブイトール/垂直離着陸型航空機)を開発するテトラ・アビエーション株式会社は2020年8月20日、アメリカで開催された一人乗りエア・モビリティ開発コンテスト「GoFly」にて唯一賞を受賞した機体『Mk-3E(通称:テトラ3)』の飛行動画を初めて公開しました。

 

テトラ・アビエーションは「GoFly」に参加することを目的に結成した日本発のプロジェクトチーム「teTra」を運営するため、東京⼤学⼤学工学部博⼠課程に在籍する中井佑氏が東大の支援を得て2018年6月に創業しました。teTraには、新たな価値観でつながる専門家・エンジニアが40人以上集まっています。

(出典:teTra aviation corp. YouTube公式チャンネル

試作機はホームセンターで購入した部材のみで作ったのだとか。試行錯誤を繰り返し、わずか2年で現在の形へと進化していきました。

 

「GoFly」はボーイング社が後援する賞金総額200万ドル超えのコンテストで、2018年から2年にわたり行われ、これまでに103カ国・855チームが参加しました。teTraは2018年6月の第1次審査にてアジア勢で唯一の世界トップ10に選出されただけでなく、最終飛行審査まで唯一残っている日本のチームでした。

 

さらにテトラ・アビエーションは2020年2月、アメリカ国内でのデモ飛行・テスト飛行を行うための米国連邦航空局(FAA)からの試験飛行許可(特別耐空許可証と飛行許可証)を日本企業として初めて取得しています。

これは「コンテスト用に特別な飛行許可を得ているのではなく、eVTOLとして既存の航空機許認可」を得るもので、「FAAからの一連の許認可はエア・モビリティ開発には欠かせないプロセス」だといい、航空業界において世界スタンダードだといいます。

そして2020年2月に行われた最終審査にて、『Mk-3E』は「プラット・アンド・ホイットニー・ディスラプター賞」を受賞しました。大手航空機用エンジンメーカーのプラット・アンド・ホイットニー社が選定する″最も⾰新的な機体を開発したディスラプター(破壊的イノベーター)″に与えられる賞で、賞金10万ドルを獲得しました!

なお、ボーイング社が選定する「グランドプライズ」および「部門賞」の受賞に該当するチームは無しとなり、teTraは唯一の受賞者となったようです。

 

都会の空も飛行する社会受容性の高い航空機とするため、静音性の観点から「ダクテットファン」についてJAXAと共同研究を進めることも決定しました。

テトラ・アビエーションは「1人1人の多様な生活様式に寄り添うモビリティを目指して開発を進めてまいります」と述べ、2025年の実⽤化に向けてeVTOLの開発を進めます。世界大会で高く評価された『Mk-3E』の今後に注目です!

 

(出典:動画初公開!テトラが作るeVTOL(空飛ぶクルマ)の飛行試験公開、JAXAとの共同研究も開始空飛ぶクルマを開発する日本チームのテトラが世界大会でファイナル進出!!日本初!「空飛ぶクルマ」ベンチャーのテトラが米国での試験飛行許可を取得。空飛ぶクルマ「テトラ3」の機体を初公開!エア・モビリティを開発するテトラが⽶国で⾏われた個⼈⽤航空機開発コンペGoFlyでプラット・アンド・ホイットニー・ディスラプター賞を受賞し10万ドルを獲得!

 

実用化には機体の開発はもちろんのこと、空を飛ぶための新しい制度などさまざまな整備が必要ですよね。日本ではロードマップを作成し、官民が協力して″空飛ぶクルマ″の実用化を推進しています。

日本での実用化は2030年頃か

空飛ぶクルマを実現すべく、2018年8月より経済産業省と国土交通省が合同で「空の移動革命に向けた官民協議会」を開催しています。テトラ・アビエーションの中井佑氏も構成員の一人で、ロードマップ公開時点の資料によると民間からは計26名が参加しています。

協議会の第4回目にあたる2018年12月には「″空飛ぶクルマ″の実現に向けたロードマップ」を取りまとめました。

都市の渋滞を避けた通勤、通学や通園、離島や山間部での新しい移動手段、災害時の救急搬送や迅速な物資輸送などの構想を描いて、様々な分野の関係者が、「空飛ぶクルマ」の開発を始めています。

こうした構想を具体化し、日本における新しいサービスとして発展させていくためには、「民」の将来構想や技術開発の見通しをベースに、「官」が、民間の取組みを適時適切に支援し、社会に受容されるルールづくりなどを整合的に進めていくことが重要です。

 

(出典:“空飛ぶクルマ”の実現に向けたロードマップを取りまとめました

ロードマップは「事業者による利活用の目標」「制度や体制の整備」「機体や技術の開発」という3項目に分けられています。

 

「事業者による利活用の目標」は2019年から試験飛行や実証実験等、2020年代半ば(目標は2023年)に事業スタート、2030年代には実用化の拡大を目指しています。

利活用の例として物の移動・地方での人の移動・都市での人の移動を挙げたほか、災害対応・救急・娯楽などに活用されることが想定されるといいます。こうした目標を達成するため、安全性や制度の整備、技術開発といった他2つの項目に関する開発を進めていく考えです。

(出典:経済産業省 YouTube公式チャンネル

2020年現在は事業スタートに向けて取り組む段階にあたりますね。6月に行われた協議会の資料を見ると、社会実装に向けた論点整理が行われていました。

実装イメージとして、物資や人員輸送を行う「災害時」、荷物配送や観光地へのアクセスといった「事業利用」、エンタメや自家用の「個人利用という大きく3項目について事業開始の目途を立てています。

 

このうち「事業利用」にあたる観光地アクセスと空港アクセスについては″ヘリを利用した定路線・定期運航″から始めて″将来的にeVTOLに移行″する形となり、ほかの項目はすべて始めからeVTOLを利用した実装になることが計画されています。

 

(出典:“空飛ぶクルマ”の実現に向けたロードマップを取りまとめました空の移動革命に向けた官民協議会について第6回 空の移動革命に向けた官民協議会

 

ロードマップでは2030年を実用化の目標に掲げていますが、テトラ・アビエーションと同じようにそれよりもっと早い時期での実用化を目指す組織があります。

日本初の″有人飛行試験″を実施

航空機・ドローン・自動車のエンジニアが集う有志団体「CARTIVATOR」のメンバーを中心に発足し、空飛ぶクルマの開発・製造・販売を行う株式会社SkyDriveは、2019年12月に日本で初めて空飛ぶクルマの有人飛行試験を行いました。この試験では「現試験機における操縦性、飛行安定性を確認し、その過程を安全に終了」したそうです。

 

2020年6月には、NECやパナソニックをはじめとする協賛スポンサーが100社に上りました。この支援を活用し、2020年夏のデモフライトと2023年の実用化を目指しています。

(出典:SkyDrive Inc YouTube公式チャンネル

CARTIVATORやSkyDriveが目指すのは、「インフラ不要の″真に自由な移動″を実現し、『2050年、誰もが自由に空を飛べる時代を創る』こと」。

プロモーション映像では鎌倉から六本木まで30分足らずで移動しています。渋滞や通勤ラッシュにも巻き込まれず快適そうです!

 

(出典:日本初!SkyDriveが「空飛ぶクルマ」有人飛行試験を開始元三菱航空機副社長・岸信夫氏がCTOに就任 ならびに日本初の有人飛行試験における技術検証完了協賛スポンサー100社超す!『空飛ぶクルマ』開発のCARTIVATORとSkyDrive社CARTIVATOR

 

現段階では″空飛ぶクルマ″は1人乗りですが、いつかワゴン車やバスくらいの大人数も乗れるようになるのでしょうか。ヒトやモノの移動、災害にも役立つ新たなモビリティの実用化が待ち遠しいですね。

thank you

この記事に関連するタグ

広告主募集
TARA
上に戻る