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AIで謎解明へ!56万個の銀河を高精度に分類「すばる銀河動物園プロジェクト」

2020.08.21  | 
WRITER:
haruka
 

謎だらけの宇宙は人々を魅了し、スペースシャトルを造る人もいれば宇宙旅行を心待ちにする人もいます。そんなロマンある宇宙を解明するべく世界中で盛んに研究が行われ、最近はその研究に人工知能を活用しています。

この銀河、何型?

2020年8月11日、国立天文台はハワイ島のマウナケア山にあるすばる望遠鏡で得た画像から、膨大な数の銀河を人工知能で高精度に分類することに成功したと発表しました。

 

これは国立天文台の研究者を中心とした研究チームが取り組む『すばる銀河動物園プロジェクト』の最初の成果で、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ 「Hyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム/HSC)」を使って得られた膨大な観測データにディープラーニングを適用したものです。

 

銀河は渦巻き形や楕円形などさまざまな形をしていることは分かっているのですが、「どうやって生まれどのように進化してきたかは、銀河天文学において今もなお最大の謎の一つ」だといいます。

HSCで得られた膨大な観測データからは56万個もの銀河が検出されました。これを人間の目でひとつひとつ判別していくのはものすごい労力が必要ですよね。

そこでディープラーニングを活用し形態ごとに分類したところ、「渦巻銀河の形を97.5パーセントという非常に高い精度で自動分類」することができました!

さらに「渦を巻いた形に識別された銀河はおよそ8万個に上り、その多くは25億光年以上離れた宇宙に存在している」ことも分かったそうです。

(出典:国立天文台 YouTube公式チャンネル

今回の研究では「S 字型の渦巻銀河」、「Z 字型の渦巻銀河」、「渦巻模様のない銀河」の3つの種類に分類しました。S字型の渦巻銀河とZ字型の渦巻銀河は自転の向きが逆になります。そのため、S字型とZ字型の渦巻銀河の分布を調べると宇宙の中での渦の分布を調べることができます。現在、国立天文台の研究グループはこの情報から、宇宙が本当に一様で等方的なのかを調べる研究を進めています。

 

(出典:人工知能を活用したすばる銀河動物園プロジェクト

また国立天文台は、一般市民にHSCの画像を見てもらいそれがどの銀河なのか分類する市民天文学プロジェクト『GALAXY CRUISE』を推進しています。同プロジェクトで市民天文学者が銀河を分類した成果とディープラーニングを組み合わせることで「より形が複雑な衝突銀河を大量に見分けられる可能性」があるといいます。

 

加えて、2022年からすばる望遠鏡で新たに稼働予定の観測装置を用いて銀河までの距離を測定する大規模検査が計画されています。これと今回の研究成果を合わせ、「銀河の形態が時間とともにどのように変化してきたのか」を調べることも期待できるそうです。謎の多い銀河を解明するきっかけになりそうですね!

 

(出典:国立天文谷:人工知能を活用したすばる銀河動物園プロジェクトすばる望遠鏡:人工知能を活用したすばる銀河動物園プロジェクト

 

いつか人類が住むことになると噂される火星についても近年盛んに探査が行われています。

つい最近の出来事では、2020年7月30日午後8時50分(日本時間)、アメリカの火星探査ミッション『Mars 2020』が打ち上げに成功しました。火星探査車「パーサヴィアランス」と火星を飛び回るヘリコプター「インジェニュイティ」を搭載しており、火星に到着するのは2021年2月18日を予定しています。

43分頃から打ち上げの様子が流れます(出典:NASA YouTube公式チャンネル

探査の最大のミッションは、火星の土や石などを地球へ持ち帰り微生物を探すことです。″地球外生命体″の痕跡が見つかるかもしれません!

 

(出典:大取りを務めて打ち上げられた米国の火星探査機パーサヴィアランスNASAの火星探査車パーサヴィアランス、今夜打ち上げ。人類史上初「火星サンプルリターン」計画の始まり

 

また、今から8年ほど前に火星に向かった探査機は今も調査を続けているのですが、私たち一般市民もその調査に協力できることを知っていますか?

火星探査に参加しよう!

2011年11月26日に打ち上げ2012年8月5日に火星に到着した探査機「キュリオシティ」は、火星が過去そして現在生命が生存できる環境かどうかを調査しています。

 

キュリオシティは地球にいるメンバーがその行動を指示しています。これは火星から送られてきた画像を解析しどのように移動すべきかプログラムしているのですが、地形を調べたり、岩場など危険な場所を避けなくてはいけないことから4~5時間かかることもあるそうです。こうした背景から、探査機自身が判断して移動できるようAIを用いることになりました。

 

しかし困ったことがありました。地球上の街並みなら画像データも集まりますが、ここは火星。そもそも画像データが少ないことから学習に必要な教師データが不十分です。そこで一般市民に協力してもらいデータセットを作ることになりました。

 

このプロジェクトは、NASAジェット推進研究所で宇宙探査機のAI開発に携わる小野雅裕氏が立ち上げたサイト『AI4Mars』から誰でも参加できます。

(出典:Masahiro Ono YouTube公式チャンネル

参加者は、画像に写っているものが「砂」「土」「平らな岩」「大きな岩」のどれなのかを判別するだけでOK。探査機の安全な走行と、火星の謎を探るミッションに協力してみませんか?おうちにいながら、あなたも火星探査の一員になれるのです!

 

(出典:NASA’s Mars Rover Drivers Need Your Help火星の地形、AIに教えて NASAが参加呼び掛け

火星のおうちは″3Dプリンター″で建設!

火星では、将来の住居となる建物を3Dプリンターで建設する計画です。

NASAが主催するコンペティション『NASA 3D Printed Habitat Challenge』フェーズ3において、2019年5月にニューヨークを拠点とするAI SpaceFactoryが最優秀賞を受賞、賞金50万ドルを獲得しました。同コンペティションは2015年に開始し、これまで60を超えるチームが参加しています。

(出典:AI SpaceFactory YouTube公式チャンネル

AI SpaceFactoryのシェルター「MARSHA」は火星で得られる素材を用いて建設でき、使用後はリサイクルできるといいます。コンペティションでは設計の1/3サイズ、高さ15フィート(約4.5メートル)に3Dプリントしました。大きなクレーン車が浮くほどの圧力に耐える強度があるのが分かりますね。

 

ちなみに、「MARSHA」と同じように3Dプリンターで建設した「TERA」があり、実際に宿泊することができるんです!ニューヨーク北部の森の中に建てられ、リサイクル可能な素材ながらコンクリートよりも耐久性があるといいます。

(出典:AI SpaceFactory YouTube公式チャンネル

(出典:AI SpaceFactoryTeams 3D Print Planetary Habitats, Awarded $700K in NASA ChallengeNASA主催の3Dプリンタによる火星用住居作成コンペ ニューヨークの建築設計事務所 AI SpaceFactoryが勝利AI SPACEFACTORY TO UNVEIL FIRST 3D-PRINTED MARTIAN ECO-RETREAT ON EARTH

 

宇宙は138億年前に、人類の祖先は700万年前に誕生したと言われています。古代は天体観測で時間を把握するなどしており、宇宙と非常に密接な生活をしていたでしょう。現代は空を眺めるだけでなく、テクノロジーを駆使して銀河や惑星の謎を解き明かそうとしています。そして火星移住が現実味を帯びてきてきた今、私たち人類はもう一度宇宙を身近な存在と感じる必要があるかもしれません。

 

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