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ドローンが医療の未来を変える―すべての人に今必要な物資を

2020.08.07  | 
WRITER:
haruka
 

自宅に居ながら診察を受けられる遠隔医療が少しずつ始まり、これに加えて医療分野でのドローンの活用が期待されています。日本各地でドローンを使った薬の配達に取り組む動きが見られ、先日、日本初のある取り組みが行われました。

診察~薬の受け取りまで非対面で実現!

経済産業省北海道経済産業局、旭川市、旭川医科大学、ANAホールディングス、アインホールディングスなど9つの企業・施設が協力してドローンを使った医薬品の配送をする実証実験が2020年7月に行われました。オンライン診療・オンライン服薬指導・ドローンによる処方箋医薬品配送という一連の流れを行うのは国内初です!

ドローンは、アイン薬局旭川医大店から特別養護老人ホーム緑が丘あさひ園までの約540メートルを飛行しました。

(出典:朝日新聞 YouTube公式チャンネル

実用化されれば、例えば通院そのものが難しい方、離島や医療機関の少ない地域に住んでいる方、洪水や積雪など悪天候で移動が難しい場合でも診察から薬の受け取りまですべて自宅や施設で可能になるかもしれません。そして現在、人との接触機会を減らす必要があります。病院や薬局で待つ必要がなくなり受診者の負担も無くせそうですね。

 

この度の実証実験は、配送体制の維持が難しくなっている地域の課題解決に加え「ウィズコロナ時代における診療・服薬指導及び配送時の感染リスク低減に貢献」したい考えです。

 

(出典:国内初、オンライン診療・オンライン服薬指導と連動したドローンによる処方箋医薬品配送の実証実験を実施します

 

また国内では、離島への物流をドローンによって支援する実証実験も行われています。離島は診療所が少ない、あるいは無い場合もあり、どのように医療を提供・維持していくかが課題となっています。

離島で安心して暮らすために

大分県では2020年3月、津久見港から約16キロ離れた無垢島まで一般用医薬品・ヘルスケア用品を配送する実証実験を行いました。同プロジェクトには大分県を拠点とするドローン企業のciRoboticsを代表に6社が参画しています。

(出典:大分県商工観光労働部新産業振興室 YouTube公式チャンネル

この実証実験では、

  1. ドローンを配送手段とする薬局の開設
  2. ドローンポート付荷物収納BOXの運用開始
  3. DID地区から沖合16kmにある離島への長距離海上配送
  4. UTMによるドローン飛行情報の見える化

という全国初の試みをしました。

無垢島へ飲料水を運んだり救急搬送も担う″住民のライフライン″となっている船は便数が少ないそうです。港から島へは船で25分かかるところ、ドローンならこれを10分程度短縮できます!プロジェクトチームは実証実験を重ね、2021年3月以降の定期飛行に向けた整備を進めるといいます。

 

(出典:ドローン物流社会実装関連事業の採択結果について~津久見市無垢島を舞台にドローン物流の社会実装を推進します!~大分県ドローン物流社会実装プロジェクトの取組状況

香川県の三豊港から4キロほど離れた粟島では2020年7月、香川大学、高松市のドローン企業・かもめや、あいおいニッセイ同和損害保険が参画した処方薬配送の実証実験が行われました。

 

日本には有人離島が400島以上あり、そのほとんどが人口減少や高齢化が進み、物流や医療に関して多くの課題を抱えています。さらに離島は災害時に汽船が運休になるなどして物流が止まってしまうことで、住民は必要不可欠な医療品や食糧の受け取りが困難になります。

 

香川県は24の有人離島のうち診療所があるのは10島であること、また診療所があっても医師の常勤は難しく派遣する形であることが多いといい、週末や夜間における医療体制の維持が課題です。

 

粟島は外来診療が週4階から週2回へ減ったためオンライン診療を導入したところ、とても喜ばれたといいます。一方で、血液検査や薬の在庫が無いといった緊急性の高い出来事への対応が困難でした。これを解決すべく、ドローンを活用するため長い間働きかけていたそうです。実証実験では遠隔診療に必要なモバイル心電計と治療に必要な処方薬をドローンで配送しました。

粟島の住民が動悸、不整脈の症状を訴え診療所を訪れた場合を想定しました。このとき二つのことが考えられます。ひとつは、正確な診断をするために、モバイル心電計を須田港からドローンで粟島に配送し診療所に届け、次に、採血した試験管を島からドローンで須田港に運ぶというもので、もうひとつは、心電図波形から遠隔で心房細動と診断されたため、血液凝固を抑制する薬 DOAC(エリキュース)をドローンで診療所に届け、薬剤師からオンラインで服薬指導を行うというものです。

 

(出典:安心して島に住み続けるための支援に向けての「遠隔診療・無人ドローン実証実験」

粟島での実証実験を通じて「遠隔診療・医薬品等の無人ドローン配送のモデル構築を行うこと、また、サービスと連携した保険商品の提供・開発」に取り組み、「安心して島に住み続ける」ことを支援していく考えです。

 

(出典:遠隔診療・無人ドローン配送実現に向けた実証実験開始について~「安心して島に住み続ける」ための支援に向けて~

 

こうした事例を見ると、さまざまな事情でスムーズな物流や医療が難しい環境でも、ドローンの活用で改善できると期待が高まっていることがわかります。必要な物資をどんな場所へも届け、人々の生活を支えるものとなってほしいですね。

 

一方、海外ではすでにドローンを実用化しています。ある国では、緊急性の高い医療現場を支えるドローンが活躍しています。

今すぐ必要な″血液″を

アメリカのスタートアップ企業・Ziplineは、なんと輸血用血液製剤をドローンで配送するという事業を展開しています。

 

同社は2016年10月に世界に先駆けルワンダにて同事業を展開し、商業化に成功。2018年12月にはルワンダに拠点を設け、ワクチンなどの医薬品も取り扱っています。2019年4月にはガーナでも事業展開を始めました。今注目を集めているドローン企業であり、日本ではトヨタグループの豊田通商もZiplineへ出資しています。

 

Ziplineのドローンは飛行機のような形をしていて、機体の一部は発泡スチロールでできています。小さいながらも最高時速は130キロ、最大90分飛べるんだとか。病院に着くとケースを落としパラシュートが開く仕組みとなっています。

(出典:毎日新聞 YouTube公式チャンネル

スコーン!と飛び立って、拠点に戻ってくるとコードにひっかけて停止。機体は意外とタフなようですね。しかも、コードをひっかけるのは尾翼についた2センチ程度のフックだそうです。すごい。

ルワンダのように舗装されていない道のある国はまだまだ多いでしょう。ドローンなら、車で運ぶよりも大幅に時間を短縮して荷物を届けることができます。

 

(出典:米国・Zipline International Inc.に出資~ドローン物流領域で協業へ~ドローンで病院に“血液”届ける救命ベンチャー「Zipline」–日本からアフリカへ現地取材

 

スキルや速さを競うドローンレースは新しいスポーツとして盛り上がりをみせ、テレビ番組の撮影でドローンが使われることも増えてダイナミックな映像を楽しめるようになりました。また、個人で購入して自撮りに使っている人もいたりとドローンは身近なものになっていますね。

そして今ドローンは、通院が難しい人や医療体制が整っていない地域にすばやく対応できる手段となりつつあります。ドローンを活用した医療支援は近い将来、生活に密着した一般的なものになるかもしれません。

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